「文学・純文学 少年」を含む小説

八月、坂道の途中で出会ったのは、誰にも見えない“湯屋”と、もうこの世にはいないはずの少年だった――。 死を宣告された少女・葵が出会ったのは、記憶と想いが湯気に溶ける、あの世とこの…

　思い付きで書いて、後味の悪さに後悔してます。

　傷付いた仲間が横たわっていた。 　先刻まで笑顔を見せ、今までともに戦ってきた戦友。 　背中に致命傷を受け、もう言葉を発することもない。 　流れ出た血液が懐かしい思い出とともに溢…

大学生になった「ぼく」の、退屈で暑い夏休み。 亡き祖母の影、机の上の辞書、そして赤いトマト。何もかもが溶けるように歪んでいく。 辞書に生えた大きな眼玉が、言葉にならない罪悪感と…

祖母の葬儀を終えた日陽人《ひびと》は、とある疑念を抱いたまま帰途につく。 雨に降られて飛び込んだコインランドリーで出会ったのは不思議な少年だった。 その正体を知ったとき、彼の運命…

　姿を消してしまった少女、山田海を救うために変わった相棒『魚』と一緒に森にやってきた本田星は、そこで一人の少年と出会った。少年の名前は葉山澄と言った。澄は自分のことを森の門番だと…

八歳の少年テリンドルは、荒廃した実家で弟フロータルを守るため、怪物に飴弾を撃ち込む。深海に沈むようなリビング、割れた窓から差し込む月光、水中を模した部屋で繰り広げられる兄弟の籠城…

毎夜､夢に出てくる笑顔の少年を犯してしまいたい。そんな不思議な願望を持つ､引きこもりの少年、ミコト。だが､毎度その少年に触れる前に目が覚めてしまう。そんな鬱憤の溜まっていたある日…

ある日、少年の手には一本のナイフが握られていた。いじめられる日々、教師の目、母の声。 それら全ては夕闇のコスモスと共に、すべてが遠ざかり、やがて自分だけが透明になっていく。

灰色の都市に沈んだひとつの部屋。 閉ざされた空間で、少年はただ「何か」を待ち続けていた。 静寂と無機質の中、動かぬ時間が流れていく。 食事すら意味をなさず、目に映る世界には色…

対話と行動描写のみの物語となります。 少年は青年を経て一人の男となる。 季節も巡る。 しかし、心に収めた夢は変わらない。そして、夢に向かって初めの一歩を出した時、それが何歳であ…

長く待った少年と、止まった青年が夕立の中お互いを思い出す

少年時代に経験した父親の非業の死に、今尚わだかまりを抱えている青年、深津彰（ふかつあきら）。 父親が遺した、壊れたラジコンヘリの修理を友人に依頼する。 鬱屈した彼の心は、果たして…

電車が好きな「僕」は、今日も電車内で大人の人たちを観察してる。 ある日、隣に座った女の人は様子がおかしいことに気づく。スマホを何度も確認し、震える手で打ったメッセージは…

夏休みに開催されるラジオ体操は、古いラジオからガサガサの声が聞こえて、とても暑い。それでも一人の可愛らしい少年を魅了した。 テレビに映る体操じゃ満足いかない。綺麗なラジオじゃ満足…

ある晩夏の夕暮れ、少年は急ぎ足で花火大会に向かう。 大好きな少女に会うために――

星が大好きな孤独な少年と秘密を抱える謎の少年。2人が一つになる時、世界は色づき始めるー。 記憶に閉じ込めた過去、彼の本当の正体…。きっとこれは、僕達だけの、秘密の物語。

二年前に姉を亡くし、心を閉ざして生きる高校生・遠野想介。 彼の前に現れた後輩の少女・朝霧花音は、なぜか姉しか知らないはずのあだ名で彼を呼んだ。 彼女が持つはずのない姉の記憶。口ず…