「言葉のみ」を含む小説

ある作家が飛行機の中で倒れた。 偶然居合わせた医者が作家に駆け寄る。 「か……感想を、褒め褒めの……感想を……」 作家が苦しそうに呟く。 「いかん！ 　感想欠乏症だ！ 　急いで乗…

カナタとコナタの兄弟は、いつもと変わらない学校生活に退屈さを感じ、かつて母親に読んでもらった絵本の中のような異世界に憧れを持っていた。ある日を境に同じように繰り返される彼らの平和…

人は、言葉ではなく、香りで誰かを思い出す。 いま触れられない誰かの影は、ふとした風の温度とともに蘇る。 毒のように残る香り。 触れた瞬間に消える香り。 そして、自分だけを守るた…

勇者として異世界に召喚された高校生、橘明（たちばな あき）。彼に与えられた使命は、世界を闇に染める魔王を討伐すること。しかし、幾多の困難の末にたどり着いた魔王城で彼を待っていたの…

一年中咲き続ける紅い桜。 人間から届けられる嫌悪の言葉を聞きながら、時々、訪れる人間との会話を楽しむ。 会話をした後、人間はいなくなってしまうがそれでも紅い桜は願っている。 人間…

ポンコツ作家ゆいゆいは今、とあるしりとりアプリにハマっている。オンライン対戦式で、持ち時間2分の間に相手に言葉を返しまくるのだ。ある日、仕事終わりにしりとりをしようとアプリを起動…

戦争の只中、深い森に不時着した一機の戦闘機と、それに乗っていた少年・フィン。 彼を見つけたのは、森の奥に暮らす少女・リアナだった。 記憶のほとんどをを失っていたフィンと、彼に徐…

満員電車で、他人の会話が勝手に耳へ入ってしまう——三好 恒一（46）。 痴話げんか、説教。苦手なトーンに削られそうになり、イヤホンでガードしたつもりでも言葉は貫通する。 降りる駅…

西海子さん自主企画『「お疲れ様刑事」の活躍を集めています【タイプミス生まれ悪ノリ育ち】』参加作です。 https://kakuyomu.jp/user_events/82213…

汚い言葉がたくさん使われているので、そういうのが苦手な人はやめた方がいいかもです ＊あとカクヨムさんからお叱りがあり、猥褻な表現で一部、というかたくさんアウトなところがあったの…

　青木　暖は恋人である桜井　にこに突然「今日恋人としての最後のデートをしよう」と言われる。 　暖は戸惑いながらも、その言葉の意味をデート中に探すが⋯⋯。

　冬に咲く花に纏わる掌編を三つ。 　それぞれの花言葉は、 　「枇杷」　密かな告白、あなたに打ち明ける、温和、など 　「侘助」　控えめ、簡素、静かなおもむき、など 　「梅」　忠実…

人とのつながりが希薄になって久しく、ＡＩと情報に満ちあふれた新時代＝令和発ーー 裏切られ、何度うちのめされようとも。 それでも生きることを諦め切れないあなたを 全肯定する物語。…

【他サイトでも掲載中】 　魔道具店《星降る歯車亭》で働く少女アテネ＝グレイは、孤児として育ちながらも努力を重ね、職人見習いとして日々を過ごしていた。店主の息子チャーリーと婚約し…

　青春氷河期。まさにその言葉が似合う鬱屈した世の中。「不明生物」の台頭と先行き不透明な世の中。安全が大切という常套句のもとで制限された学校生活を送る少年少女たちはつまらない日常生…

第一部完結しました。 （第二部の連載は、当面の間はサポーター限定記事での投稿となります。） 都会に疲れ、故郷の島へ戻ってきた青年・相川湊人（あいかわ みなと）。 民宿経営を夢見…

"勇者"であることを当然と思い、魔王を倒すのは俺だと言葉にするのがどれだけ危険なのか、こいつはまったく分かっていないんだろうな。 とはいえ、王都を去る時点で俺にできることはなく…

「カクヨムコンテスト10中間選考突破感謝です!!」 あらゆる病や障害を克服した2030年。しかし、唯一治せない病があった。その病を患うからこそ、望む誰もが普通になれる社会におい…

＜ひと言あらすじ＞ 　時魔法の才を持ちながらそれを隠すネネユノと、その才を見出した生真面目騎士団長が互いに相手を振り回しながら、消えた両親や故郷、大切なものをさがしに行く話。 …

「お前には華がない。地味すぎてギルドの看板に傷がつく」 理不尽な理由で暗殺ギルドをクビになったレン。 彼は気配を完全に消すユニークスキル【朧（おぼろ）】を持つギルド随一の暗殺者だ…