「耽美ファンタジー」を含む小説

王族の少年・リグは、王家に課せられた「血を清める試練」に挑むなか、 無表情の護衛・グリムと出会う。 彼はただの従者ではなく、王国に伝わる「守り神の器」だった。 儀式が進むたび、…

悪魔、天使、死神……様々な生き物が人間と交わる神舞伎町で、悪魔のザインと天使のノアは同族を狩り、その肉を調理して食べる異端として生きている。 しかし、謎の悪魔からザインが渡され…

　竜は討つべき敵か、それとも共に生きる隣人か。 　帝国随一の騎士団長レオンは、忠誠と使命に生きる男だった。だが辺境で出会ったのは、竜に選ばれた少年ミルウス。彼の歌声は竜を鎮め、荒…

十年前、森で狼に襲われた少女――赤ずきん。 彼女は生き残り、大人の女「セレベル」となった。 討たれたはずの狼。だが、満月の夜に再び現れる。 その名は「ノクトール」。夜に生きる、金…

子供の頃に見た夜桜の光景を忘れられずにいた「俺」は、大学で一人の女性と出会う。 長い黒髪を風に揺らし、本を読むその姿に心を奪われ、恋に落ち、共に暮らし始める。 優しく、静かで、…

誰かのために祈ったことがある。 それが届くと信じていたこともある。 舞台は、終わらない夢の中。 笑う者も、嘆く者も、すべてが幻。 手を伸ばせば、きっと触れられると思っていた。…

極夜に包まれる街を見下ろす断崖の上に、その屋敷はあった。 屋敷に仕える美しい従者は、主人のために街へと降りる。 そこで出会ったのは、1人の旅人だった。 ※本作には、明示的な性描…

紅華宮──神々の律によって統べられた、絶対秩序の中枢。 そこに仕えるのは、かつて人間でありながら“神”の側に立つことを選んだ男、静ヶ原清史郎。 完璧な紅茶の香りとともに始まる…

王太子の婚約者、名門の令嬢、薔薇の姫君。 ──それらは、“彼女が選ばれる”はずの理由だった。 ロザリアは、愚かな嫉妬と陰謀の果てに悪女と断罪され、黒い噂の絶えない町外れの館への追…

昔むかし、とある海辺の町の大晦日。余四郎と寅吉は、明王様の祠を見張る「供物番」に選ばれた。二人は自分の居場所を見つけられずにいる半端者同士。少年たちはこのとき、供物番という役割が…

「小説家になろう」に連載していた作品です。完了したので、こちらに一括転載します。ヴァンパイア・クイーンはヴァンパイア・ハンターであるヴァン・ヘルシングの妻でした。復活した彼女は、…

それは、触れられぬ心と心が、そっと寄り添う物語。 かつてマルク王の妃・イゾルデとの恋に敗れた騎士トリスタンは、円卓の騎士としてキャメロットに迎え入れられた。 その外れにある泉のほ…

水の都を舞台に、悲しみの影に現れる怪傑『魔術師』の物語。SNSに掲載したお話をまとめてあります。

水の都の裏町に『客が望むものを何でも、どんなものでも売ってくれる店がある』——奇妙な噂に縋ってやってくる客たちと、銀髪の怪傑こと魔術師『店主』の物語。

市立図書館で働く物静かなジルは、魔女の眷属の血をひくため教会に監視されて生きていた。しかしある冬の日、眷属たちの長フィアルカの思惑に巻きこまれて教会から逃亡することになる。生き血…

最も美しい場所を失った貴公子こと美貌の怪傑『麗人薔薇柩』が幻想世界の庭園『薔薇庭園（ゴレスターン）』にて様々な出来事・幻想的事件・寓話的登場人物との出会いと対話、戦いを繰り広げて…

彼女は帰らずの森で待っている。 きっと彼女はフランス人形のような魅力的な微笑みで君を迎え入れてくれるだろう。 血肉に飢えた野生的な本能を 美しい薔薇の園と揺れる紅茶の赤に隠し…

レフ「ハァ？『これから長い間お世話になるけど』ってどういう事だよ」 アレク「えっ、そんな、俺は命の恩人なのに！？」 10年前、強盗に家族を殺されてしまったレフは混乱して2階…

少女には夫がいた。夫は七国を構成する国の一つ、榮（さかえ）の国の殿であったが、妻らしい扱いなど受けたことがなく、長らく半地下の座敷牢に幽閉されていた。 虐げられ、嘲笑われ、穀潰し…

薔薇を国花とする『薔薇の帝国（ガルデン・ローザリー）』の王女メリルは十六歳の誕生日を迎えたその日に父である王から政界入りを決められる。メリルは将校である寵臣スカーレットとその同期…