幕の向こうに還る声

@moneappleflower

第1章 蝶と仮面

この世は狂っている、なんて、誰が決めたのか。

でも言われてみれば確かに、何かが、ズレている気がする。

歯車がほんの少しずつ、最初から噛み合っていなかった。なのに、誰もそれを止めなかった。

「当たり前」の顔をして、狂ったまま動き続ける世界。


狂っているのはこの世か?他人か?自分か?

いや、もしかすると、“狂っている”という言葉すら、誰かの作った枠組みにすぎないのかもしれない。


そのすべてを「狂っている」と笑ったのは、誰だった?

悪魔か。神か。それとも――。

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