「詩 言葉」を含む小説

この街では、誰も“あいつ”を知らない。 姿も声も、名前も性別も分からない。 けれど、人は死ぬ。詩だけを残して。 暴力も証拠もない。 警察は動かず、世間は“犯行グループ”の仕業だ…

「紙くず」という名の小宇宙。 誰にも読まれず、声にもならず、丸められて捨てられた言葉たち。 本書『紙くずの詩学──しわのなかのことばたち』は、私たちが日常で見過ごす「紙くず」…

詩集4（2021.3～2021.8）

2040年代、言葉が現実を変える時代。AIが解析した古今東西の詩や呪文は、「構文術」として社会に定着した。 詠唱ひとつで火が灯り、ドローンが舞う。だが、その力には責任が伴う。 …

かつて、詩や呪文はただの幻想だった。 だが今、人類は知った。 AIによって最適化された言葉は、物理法則すら凌駕するということを。 舞台は、言葉が力となる近未来の高校――。 個…

私立言祝（ことほぎ）学園の新聞部に眠っていた旧型生成AI《コトノハ》。 ふとしたきっかけで再起動したその日から、言葉の“区切り”や“視点”が世界を揺らしはじめる。 逢人（あいと…

正しく壊れた言葉でしか語れない記憶が、夏にはある。

私の名前の由来を両親に尋ねたとき、 「詩がうまくなるように」とつけたと教えてもらいました。 それ以来、ときおり“詩のようなもの”を書いています。 日々のなかでふと心に浮かんだ…

言葉に力がないから。人々は…。（※重複投稿しています）仲仁へび

中庸でさえ、それも優しき 了。

妻が家を出て行った。居間のテーブルの上に置かれたメモみたいな手紙は、イタリア製のペーパーウエイトと指輪の箱で押さえられていたが、箱の中に指輪はなく…… 柴田恭太朗様の自主企画、…

※2021年1月の作品です。 読んでいただけると幸いです。 いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。 これからも応援よろし…

声が武器となる世界で、力を封印された少年がいた。 音言使いユヅキ・カゲロウは「破壊の詩」の使い手でありながら、喉元の黒い傷痕と共に沈黙を強いられていた。しかし、仲間を次々と襲う「…

出てきた言葉を書こうと。

巫女の言葉に耳を貸さなかった代償だ。（※重複投稿しています） 仲仁へび

　町の花屋で小さな花束を五つ買う一人の男がいた。その後に向かうのはいつもお墓。大切な人は一人だけ、だから一束だけでも十分なのに、なぜ五つも買うのかそれは男なりの理由があった。 「…

できたてほやほやの詩を、温かいうちに。

言葉が静かに消えていく世界。 「おはよう」も「ごめんなさい」も、そして「ありがとう」さえも、人々の口からも、記憶からも消えていった。 十五歳の少女・伊織ミカは、消えた言葉の痕跡…

思い出さないように、そっと沈めたはずの記憶が、 ある日ふいに顔を出す。 その痛みと優しさを、少しだけ言葉にしてみました。

蒼白に揺れる紫陽花、湿った土の香り、静寂に包まれた教室。 風に揺れる二つの影――少女たちは、誰にも見えない暗幕の向こう側で、言葉の代わりにただ唇を重ねる。 紫陽花の花びらが散…