「「わたし」」を含む小説

きさらぎ駅のある路線には、ある事象があった。別世界の人間が突如現れて、皆きさらぎ駅で降りるという。それは夏頃によく目撃されるとも。だが、最近は春頃も見るようになった。車掌たるわた…

【以下、結末を含んだ800字程度のあらすじです】 教師になる夢を断たれた望まない結婚。 その初夜に、咲子は、夫・玲明から「お前を愛することはない」と告げられ殺されてしまった。 …

酎ハイ飲兵衛からこみつに変えた理由は、酎ハイ飲兵衛のペンネームが、わたしの障害者としての話を書くペンネームとして確立しつつあるからです。 そこで、ペンネームを変更することにしまし…

私は暗い闇の中を漂っていた。 ——いや、もしかしたら落ちているのか？ ううん、ただ流されているだけなのかもしれない。 よく見えないけれど、手足はあるようだし、動かすこともできる…

うそつきなあなたの「好き」って言葉は、わたしを包んで離さないのに。 うそ好きなわたしの「うそ」って言葉は、あなたの心には届かないのね。

森の奥の小さな湖の隅の大きな岩の上に、わたしの神様たちがいる。 いつも無口で本を読んでいる、一見冷たいけれど、本当は優しい、黒く長い髪のクロ。 いつも優しくて、辛いときずっと寄…

オムニバス形式で繋がる、それぞれの灯火。 メジャーデビューを目前に控えるバンド、レムスリーパーズ。ボーカルの旗野は活動が絶好調を迎える中、父親の介護に追われており……。 軽音サー…

その時、『視線』は神話になり、『少女』は超越者となった。 見られぬ者たちのまなざしが、都市の高みに染みついていた。 名もなく、声もなく、それでも確かに、在った。 彼らの絶望は、…

21歳のアケミは、無職の引きこもり。登録者わずか51人の底辺配信者として、家族（特に姉のララ）に依存し、アニメやゲームに没頭する日々を送っていた。「わたしなんて」「何をやってもダ…

「わたし、男性に慣れたいの。協力してくれる？」 櫂は街で呼び止められる。振り向くと美しい同級生が佇んでいた。とっくに卒業した母校の制服に身を包んでいる。彼女は失った時を取り戻し…

村上綾香、27歳。 高校生のときに初恋の相手に失恋してからまともに男性とお付き合いできず、二十代も後半にさしかかったある日、会社の同期に誘われて合コンに参加した。 こんな自分を…

『横になる部屋』 横になる？休憩室？いえいえ違います。

　万年一人ぼっち、文芸サークル所属の大学生那智豊（なちゆたか）に舞い降りた奇跡！？まさかのクリスマスデートに誘ってくれた後輩の女の子。九王沢（くのうさわ）さんは英国大博士課程卒、…

ここ３か月、この町では鳥の死骸が多く発見されている。 そういえば、わたしたちがキスをするようになったのもその頃からだったね。

親友の彼氏の親友でありクラスの人気者男子に恋をした引っ込み思案な女の子の、等身大の物語。

実在しない洞窟で起きた、実在しないとある事故に関連する資料集です。 収集した資料は、一部を除きすべて創作されたものです。 実在の人物・団体とは一切関係がありません。 なお、タイ…

　十二月二十五日、早朝。 　仕事を終えて再会したふたりの男女。 　サンタクロースのふたりは、一年に一度の――――逢引をする。

舞台は「保健室の幽霊」がいると噂されている、私立女子中学校。 思春期という病に侵された少女たちは、今日も学校という名の病棟に閉じ込められている。 ひとりは、面白いことを探してい…