「純文学小説」を含む小説

どちらかといえば日陰者の主人公「紅粉（べにこ）」と堅気な「迪（ふみ）」の織り成す世界。出逢い・日常。 そして朝露のような発露。

わたしは、周の告白を受け入れて、確かに「彼女」になったはずである。 それなのに、自分のことを「彼女」だと思い込むことができていない。 葛藤する。周の「彼女」になりきるには、どうす…

言葉にならない想いが、 白い風景のなかで静かに息をしていた。 雪に閉ざされた町で出会った、ふたりの少女。 存在の輪郭が曖昧な彼女を、私は絵に描くことで愛した。 ——これは、失…

季節に因んだ四つの短編集。 「人生は暇つぶし」 母は私に言いました。 本作は移ろいゆく季節の中にある四つの暇つぶしについての物語です。

どうして小説を書くのかを問われて、それに答える話。

ユキちゃんと最後に会ったのは、十九の夏だった。 母の妹であるユキちゃんは、「俺」が幼い頃から仲良くしてくれていた、いわば謎の親戚だった。 ラーメンを分け合って食べたこと、山道のド…

三部作の3話目です。滋賀県大津市出身で東京西部の出版社に勤める編集者のアズサ。アズサと懇意の小説家、アヤミ。そして、アズサの弟で大学生のヨウスケ。この三人が、深い友情とつながりで…

第二次世界大戦末期、広島市。 父を戦争で亡くし、母親とふたり暮らしの少年・幸太は、１羽の燕と出逢う。 だが、その直後に原爆が投下され……

とある場所のとある喫煙所で、二人の男が頻繁に顔を合わせるようになり、 やがて彼らは互いの進路、将来などについて語らうようになる。 二人の歩む道は共通していたが、はたして彼らは行き…

三部作の2話目です。滋賀県大津市出身の駆け出し編集者のアズサは、偶然担当となった売り出し中の若い小説家のアヤミと交流を深めながら、作品を創っていきます。天真爛漫で少し天然系のアズ…

仕事はダメ友達もいない。 そんなどこにでもいるアラサー如月新字がネット小説家になることを決意した。 ネット小説の紹介ブログを書くことで得た知識を糧に、これまで鑑賞しかしてこなかっ…

公園のベンチに腰掛ける少女の元へ、ひとりの男性がやってきた。 少女を誰かと勘違いしたまま、別れの言葉を述べる男性。 その人からは、ほのかに柔軟剤の匂いがした。

ある四月の日曜日。自宅。男がふと、気づいたことをゆっくり短く書きました。 ちなみに、あなたは、割れた卵をどう扱いますか？

「トイレに行かない女の子」がいた。 白凪ユイ。完璧で無音、排泄という概念を欠いたような少女。 クラスの誰もが彼女の前では音を殺し、匂いを消し、息をひそめる。 彼女の身体には“何…

哲学を下敷きにした短編です。 少しでも、なにかを考えるきっかけになると嬉しいです。

第二回大暴力小説大会参加作品　テーマ”二の舞” 蛙の子は蛙　鼠の子は鼠　貧乏の子は貧乏　アル中の子はアル中　俺もお前も、みんな野良犬

5分で読める優しい物語。 堅物人間が人と触れ合って変化していく、春の山登りから生まれる物語。 詩のような短編小説。

純文学風な短篇小説たち。

青春と恋愛をテーマにした短編小説作品集です。 部活、課外学習、夏休み、放課後の委員会活動。 学生時代のさまざまなシーンを切り取った ノスタルジックな物語です。

大手美容製品会社の苦情専門コールセンターで働く美幸は代わり映えのしない毎日を過ごしていた。 そんなある日、いつもなら通ることのない路地裏で『占い  コノ先  二階』という手書き…