小説を読むとき、次に読む作品を探す手がかりのひとつとなるのが「おすすめレビュー」です。作品の魅力を深く伝えるレビューには、未読の人にとっては興味をもつきっかけになり、既読の人にとっては作品の面白さを再確認したり、新たな視点をもたらします。カクヨムには、そんな思わず「いいね!」を押したくなるレビューがたくさんあります。
今回の特集では、2025年8~9月に投稿されたおすすめレビューの中から、特に「いいね!」が多くついたレビューをピックアップしました。
気になるレビューがあれば、ぜひ読んでみてください。新たな自分好みの作品に出合えるはずです。
また、「このおすすめレビュー良かった!」と思ったら、ぜひ「いいね!」を押してみてください。レビューを書く人の励みになり、良質なレビューが増えるきっかけになります。
そして、まだおすすめレビューを書いたことがない方は、作品を読んだ後にはぜひレビューを書いてみてください。あなたの感想が、誰かの「次に読むきっかけ」になるかもしれません。

本特集に選ばれたレビューをご投稿いただいた方には、10月中に500円分の図書カードをお送りいたします。今後とも、素敵なレビューのご投稿をよろしくお願いいたします。

ピックアップ

基本的にヤンキーとヤカラしかいない後宮。旦那(皇帝)は一般人

  • ★★★ Excellent!!!

基本的にヤンキーとヤカラしかいないという後宮ものです。猫までヤンキー🐈
みんなキャラが濃すぎて最弱モブで存在感が激薄の皇帝(旦那)が逆に際立っています
めちゃくちゃ笑えるのではっきりいって外で読むと危険です(笑)

フィクションなのかノンフィクションなのか?

  • ★★★ Excellent!!!

これまで読んだモキュメンタリー作品があまり怖くなかった理由は、偏に「現実味の薄さ」だったのだとこの作品を読んでわかりました。
他の方も仰っているように、ネット上に溢れる文章の再現があまりに緻密で、本当にこれはフィクションなのか?と現実を疑う恐怖が襲ってきます。

モキュメンタリー慣れしてきた読者のドタマを掴んで膝でカチ割るが如き素敵な作品、おすすめです。

生半可な気持ちで読んではいけない、時間が消し飛ぶ。最強の一作だこれは

  • ★★★ Excellent!!!

神作だ。
設定の掘り方、伏線の貼り方、ストーリーの分量、キャラクターの自然さ、すべて完璧なバランス。
ページをスワイプする手が止まらない。
なんだよこれえ……。

作者おかしいだろ……。

ほんというと、当初の設定が合わずに長らく読んでなかったが、四話ぐらい読んだあたりからすごく良い意味で不穏さを感じた……のが昨日の朝方だったと思う。

今は翌日の深夜の1時半。
止まらねぇんだよ……面白すぎるんだよ……

悪いこと言わねぇ、読んだほうがいいぞ。
飛ぶから。時間消し飛ぶから。
めちゃくちゃ面白い。
書籍も発売されたら買うから、どうか……どうか完結まで完走してください……!!!

異世界への適応を丁寧に描く

  • ★★★ Excellent!!!

もし本当にファンタジー世界に転移したら、人間はこうするはず…という前提で練られた、いわゆるリアル指向の異世界ファンタジー作品のうちのひとつです。

唐突なクラス転移、からの年単位に及ぶ危険な森の中でのハードなサバイバル生活から主人公の異世界生活がスタート。

主人公を含め、本作に登場する人物たちは、その章の主要人物かモブかを問わず、だいたい酷い目に遭います。

単に唐突に死ぬくらいならまだ良いほうで、大体は人間の尊厳を賭けた攻防を、人間、魔物、大自然を相手に繰り広げて、あっさり死んだりギリギリ生き延びたり死んだほうがマシな目に遭ったりします。

地球とは比較にならないほど危険な環境、高低を語る以前にそもそも有無を語るレベルの欠如した倫理観等、主人公は様々な暴力や思想の違いに晒され続け、その結果ポッキリ折れたり、己を変質することで強くなったりしていきます。

チートでひゃっほい無しで、主人公が苦悩しながらも強く生きていく様が見たい、という方にはよく刺さる作品かと思います。

惜しい点があるとすれば、本作には読んでいてカタルシスを感じることが少ない、という点が挙げられます。

前述したように、主人公を含む登場人物たちは、人倫にもとる人間などを相手に酷い目に遭っていくわけですが、主人公の寛容さ(というよりも物事に拘泥しない?)を起因にして因果応報が成されないまま話が進行することがあり、ストレス展開から読者が開放されないのです。

主人公自身は自分の中でそれを消化し、自己解決できてスッキリしたとしても、主人公の目線で小説を読んでいる読者は消化しきれず、期待したカタルシスを得られないことで、もやもやした気持ちを抱えたまま読み進めることもあります。

主人公に感情移入する形で小説を読むことが好きな方は、事前に覚悟がいる面もある小説かもしれません。