消えた松尾

 高校へ行き、その帰り道。町田と松尾と一緒に帰っていた。彼らは私の1歳年下であるが、同学年だ。

 田舎の電車ってのは本当に待たせるものだ。

 やっと到着して電車に乗り込む。振り返ると、松尾がいなくなっていた。


「は? 松尾は?」

「いや、さっきまでいたんだけど……えっ!?」


 どこへいった? 「助けてくれぇ〜」と小さな声が聞こえた。

近くにいるようだ。どこだ?


「おい、松尾!! どこにいった!?」

「えっ、マジで? どこいった?」


 「助けてくれぇ〜」の声の先を辿ると、松尾を見つけた。ホームと電車との間に隙間があると思う。そこに、いた。


「ええー!? なにしてんの!?」

「落ちた、た、たすけて」


 私と町田はまず、車掌に電車を発進しないように伝え、松尾を引っ張り上げようとした。引っ張り上げるのは難航したが、どうにか助けることができた。


「ま、松尾……お前、マジか……」

「うん、マジでビビった……」

「……すっげーぴったりハマってたな」


 私と町田は電車の中で20分ほど爆笑した。なんであそこにハマるんだあいつは……。

 

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超ショートショート 玄 律暁(げんりつあき) @flunit

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