春の柔らかな空気の中に、切実な決意がにじんでいる。「消えてしまいそうな君の手を強く優しく握りたい」この「強く優しく」という矛盾した願いに、胸を突かれた。繰り返される「〜うちに」という言葉が、春の儚さと焦りを静かに重ねていく。その先に待つ結びの一行が、美しい。私もまた、手を伸ばす前に過ぎ去ってしまった春のことを思い出していた。
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