本作は、日常に潜む「正体不明の悪意」に対し、思考の制御で立ち向かう姿を瑞々しく描いています。理由のない不安や、外から聞こえる悪意ある声。それらをただ怖がるのではなく、どうやって自分の心の中で処理していくのか。後半、彼女たちが導き出す結論は、現代を生きる多くの人が抱える「生きづらさ」への、一つの鮮やかな回答になっています。読後、自分の周りで聞こえる笑い声や足音の意味が少し変わって見えるような、視座を書き換える力を持った一作でした。
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