新宿二丁目のバーを舞台にした語り部形式から始まり、兄弟間の歪な愛執を描く背徳的なドラマである。アーチェリーという静的な競技や、銭湯、食事といった日常に潜む肉体的な執着が、美麗かつ官能的な文体で詳細に綴られている。「理想の家族」という社会的呪縛に苦しむ兄の切実な独白と、無垢な弟の振る舞いとの対比が読者の倫理観を強く揺さぶる。徹底して兄の視点から描かれる独占欲の深さが特徴だ。背徳感のある耽美な物語や、禁断の愛、複雑な心理描写を好む読者におすすめできる。
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