太陽に近づく
みやびの映画日記
第1話
物語の背景:1920年代、大日本帝国。古く封建的な因習と、燃え上がる個人主義・革命の炎が激突していた時代。
♪ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」
https://www.youtube.com/watch?v=UYm931KoH6g
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私は、九州の小さな村に生まれました。貧しさを極める生活の中で、薪を運び、飯を炊き、洗濯をする毎日でした。唯一の楽しみは本を読むことでした。母親に見つかると、いつも「女に学問はいらん」と本を燃やされました。母に焼かれた本の灰の中から、私の思想は燃え上がったのです。
なぜ、女だけが我慢を強いられ、学ぶことを拒まれるのか?
私を救ってくれたのは「本」でした。本が私の世界を広げ、生き抜く術を教えてくれたのです。私は親戚の家をたらい回しにされ、働かされました。ただ家のために生きてきたのです。
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私の村には古い風習が根付いていました。一番許せなかったのは、愛する人を親が決めることでした。結婚は、単なる家と家との契約に過ぎませんでした。そして、子供を産めない女は差別の標的となりました。
「嫁して三年子なきは去る」
たとえ不妊の原因が男側にあったとしても、それが顧みられることはありませんでした。すべては女の「腹が悪い」、あるいは「不徳である」とされたのです。 国家は女性に「良妻賢母」であることを求めました。教育を受けた女性であっても、その究極のゴールは、国家に尽くす次世代を産み育てることだったのです。
新しい道を切り拓け!
私は村を飛び出しました。父は、私を家庭という檻に閉じ込めるために結婚を強いたのです。相手は20歳も年上の、腹の出た金持ちの男でした。初夜は、正に強姦でした。私の体の所有者は夫ではない――私自身なのです。私の考えは、その村では決して許されないことでした。
私は東京へ逃れました。金はありませんでしたが、学問がありました。女性の権利を主張する雑誌社に、なんとか入り込むことができました。そこは、「自分を縛るものはすべて敵である」という私の主張を受け入れてくれました。
本能の解放。
女性が自分の体を誰に捧げるかは本人の自由であり、国や家が口を出すことではありません。「自分自身の意志で生きる」という主張は、国家にとって反乱分子とみなされました。私は、国賊となったのです。
私は、妊娠しました。私の恋人は、既婚者であり同志でした。彼もまた、私と同じ反乱分子でした。常に高等警察に監視され、何度も捕まり、尋問を受けていました。殴られ、蹴られて帰宅した時、彼は笑って言いました。「勲章がまたひとつ増えたよ」と。
私たちは幸福でした。 彼が監獄に囚われた時、私たちはラブレターを交わしました。
「君と話していると、僕の思想がどんどん新しくなっていくのがわかる。君は僕の最高の同志であり、最高の愛人だ」
「私はあなたの所有物ではありません。でも、私は私の意志で、あなたを誰よりも愛することを選びます。この愛のために、私は地獄へ落ちても構わない」
私たちは国に迫害されていましたが、心は自由に羽ばたいていました。私たちの思想こそが、翼だったのです。
太陽に近づきすぎると、燃え尽きてしまう。
私はこの人生を、一分一秒たりとも後悔したことはありません。なぜなら私たちは、世界で一番自由な人間だったのだから。
太陽に近づく みやびの映画日記 @sora8198
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