紀元700年
ルシエラ、ルシエラ-1
私の名前はキャシー!今をときめく帝都の帝国魔法機関所属の、将来有望研究員!ちなみに彼氏は、居ない。
今日はルンルン気分。なぜなら、この魔法機関のトップにして、帝都女性の憧れナンバーワン美女である、ミレリア様がこの事務所に来られたからだ!まさかミレリア様にお会いできるとは。よかったー、この職場に来てホントによかったー。
700年以上を生きる魔女であり、元国母であられたミレリア様は、帝国一の有名人。その方が今日いらっしゃる、と家族に伝えると、家族及び親戚一同から「家宝にするから、ミレリア様のサインが欲しい!」と言われて、大量の色紙を押し付けられた。兄に至っては「サインだけでなく、キスマークもつけて欲しい」とか言い出す始末。ホント、あのバカ、色紙の角に頭をぶつけて死ねばいいのに!
キャー!あそこでテラスのチェアに座っておられる、美しい女性!あの方こそミレリア様!長身で長足、抜群のプロポーション。腰まで伸びた黒髪ストレートが超セクシー!んー、でも切れ目の長いアーモンド形の目が、ちょっと困った感じに見えるのはなんでだろう?
声をかけちゃってもいいかな?と思いつつ、キャシーはミレリアに声をかける。
「……あのーミレリア様、ですよね?」
ミレリアは気づいたそぶりを見せると、微笑んだ顔でキャシーに言う。
「あら、あなたは最近入った研究員の方ね。もう仕事には慣れた?」
キャー、私のこと覚えていてくださってる。死ぬ気はないけど、もう死んでもいい!
キャシーは感激しながら、ミレリアに言う。
「はいぃ!憧れのミレリア様と同じ職場で働けて、大変光栄ですう~!」
ミレリアはちょっと引き気味に答える。
「そ、そう……」
キャシーは続ける。
「そういえば先ほど浮かない顔をされていましたが、大丈夫でしょうか?」
ミレリアは、あー、という感じで答える。
「ちょっと、人間関係でね。ルシエラがどのルシエラだったか、分からなくなることがあるの」
ルシエラがどのルシエラ?キャシーの頭にハテナマークが浮かんだ。
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