親友-2

 レベッカの親族により、葬儀が執り行われた。墓所に埋葬する前の最後の別れのために、棺の周りには多くの友人、親族が集まっていた。そんな姿を、ミレリアは少し離れた丘の上から礼服で眺めていた。

 多くの人が涙を浮かべているのを目にしていたが、ミレリアは泣いてはいなかった。レベッカとの別れが悲しくないわけではないが、どうしても涙が浮かんでこないのだ。


 ミレリアは、自分がなぜ泣けないのかを考える。最後に泣いたのはいつだったのか。確か300年ほど前に、自分が取り上げた赤ん坊の名付け親になったあとで泣いた、あれが最後の涙だった気がする。あれも他人のために泣いたというよりは、自分のために泣いたはずだった。そう考えると、棺の周りの彼らのように、他人のために泣けない自分は、なんて冷たい人間なんだろうと思う。


 レベッカは、そんな自分の親友であってくれたのだ。長き時を生きるミレリアにとっても、あれほどの友はほとんど居なかった。

(さようなら。今まで、ありがとう……)

 ミレリアは心の中でつぶやいて、空を見上げた。美しい、晴れた青空だった。

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