親友-2
レベッカの親族により、葬儀が執り行われた。墓所に埋葬する前の最後の別れのために、棺の周りには多くの友人、親族が集まっていた。そんな姿を、ミレリアは少し離れた丘の上から礼服で眺めていた。
多くの人が涙を浮かべているのを目にしていたが、ミレリアは泣いてはいなかった。レベッカとの別れが悲しくないわけではないが、どうしても涙が浮かんでこないのだ。
ミレリアは、自分がなぜ泣けないのかを考える。最後に泣いたのはいつだったのか。確か300年ほど前に、自分が取り上げた赤ん坊の名付け親になったあとで泣いた、あれが最後の涙だった気がする。あれも他人のために泣いたというよりは、自分のために泣いたはずだった。そう考えると、棺の周りの彼らのように、他人のために泣けない自分は、なんて冷たい人間なんだろうと思う。
レベッカは、そんな自分の親友であってくれたのだ。長き時を生きるミレリアにとっても、あれほどの友はほとんど居なかった。
(さようなら。今まで、ありがとう……)
ミレリアは心の中でつぶやいて、空を見上げた。美しい、晴れた青空だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます