百年寵姫-2

 ミレリアの幼き頃の記憶が蘇る。


 …………


「本当はね、こんなことを教えたくないんだけどね」

 ミレリアの髪を梳きながら、ルシエラが話始める。公演団にいた、ミレリアの教育係。母替わりだった女。

 ルシエラは続ける。

「アンタはきっと美しくなる。そうなるとどうしてもアンタを狙う奴らが寄ってくる。もしかしたら、そいつらから魂を刻まれるような目に合うかもしれない。そんな時はね、力を抜いて耐えるんだよ、ミレリア」

 それを聞いてミレリアは不服そうにつぶやく。

「ねえ、なんで逆らっちゃダメなの、ルシエラ。そんなやつら、やっつけちゃえばいいのに」

 ルシエラは小さくため息をついてから、続ける。

「どうしてもね、力が違うからね。逆らうと体力を使い果たして死んじまうのさ。だからね……力を抜いて……頭を空っぽにして……耐えるんだよ」

 ミレリアの髪をまとめながらルシエラが言う。

「アイツらが……飽きるまで……」


 …………


 目を閉じて、ミレリアはルシエラの教えに従う……。














 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された


「耐えるんだよ、ミレリア」


 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された


「耐えるんだよ、ミレリア」


 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された

 ミレリアは継承された


「……耐えるんだよ、ミレリア」

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