第9話 牛。とにかく、牛。ひたすら、牛。
1995年1月17日午前5時46分以降、弟から私へ連絡は一度もなく。
親への連絡も最初の一発だけでしたが、そこで「ねーさんのところへ行く」と言ったから、それを信じ、私はずっとTVでニュースを見続け、定期的にシンガポールの親へ電話して情報共有しておりました。
1995年はまだブログを始めていなかったので、正確な日付は覚えていないのですが、震災後3〜4日には、再会できました。
……が、疲れ果てた弟を見て、私は絶句。
人間って、ほんの数日でこんなに人相変わる??
この子は一体、何を見て、どんな体験をしたの!?
そこには、ごくごくふつーの高校生ではなく、人生に疲れ果ててボロボロになった生気のないおっさんが居ました……
愛奈→とりあえず、何か食べよ。何食べたい?
遠慮しないで、なんでも食べたいの言って。
まずは、好きなもの、美味しいもの、食べよ。話はそれからだ!
弟→牛。
愛奈→は?
弟→ギュウステーキ
愛奈→いきなり?大丈夫?そのやつれ具合からして、ちゃんと食べれてないんじゃない?胃、びっくりしない?
弟→牛肉のステーキ。種類は問わない。むしろ、全種類制覇できる自信しかない。
愛奈→言ったな……じゃあ、見せてもらおうか!あらゆる牛の部位を食べ切るところをっっっ
通常運転の即答だったので、心身ともに大丈夫か……と安堵した姉は甘かったです。
ま、ひたすら牛ステーキは食べた弟ですが、彼は一日中TVニュースから離れず、報道内容と現場の違いに憤慨し、悔し泣きをし、言葉少なげに大荒れしていました。
報道、嘘ばっか!
そんな綺麗な話でも現場でもねーよっっ
実際に現地で過ごしてからニュースにしろよ!
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