何気ない一言や仕草が、ここまで人の心を蝕むのか……と、思わず息を呑む作品でした。
物語は、友人の「ちょっとしたクセ」に違和感を覚えるところから始まります。ほんの些細なことのはずなのに、その違和感は次第に膨らみ、やがて感情の歯車が静かに、しかし確実に狂い始めていきます。
特筆すべきは、登場人物達の心理描写の鋭さです。誰かを羨む気持ち、認めたくない劣等感、そして自分でも制御できない感情の揺らぎ……どれもが驚くほどリアルで、読んでいるうちに「これは他人事じゃない」と感じさせられます。
また、対照的に描かれる“ある人物”の存在感も強烈で、その在り方が物語全体に緊張感と深度を与えています。
派手な展開ではないのに、じわじわと心を締めつけてくるような読後感があり、人間の内面に潜む光と影を鋭く切り取った、印象的な一作です。
静かな物語が好きな方、心理描写をじっくり味わいたい方には、ぜひ手に取ってほしい作品です!
タイトルに惹かれた人(私だ)、そのまま読みにいってください。
あなたのキュピーンと来たものがここにはあります。
そうじゃない人に向けて書きます。
作者さまがXで「死ぬほど努力してる人の器の話です」と書かれているのですが
これは「強者にぶちのめされたい」というばかげた願望を全力で抉りにくる話です。
羨んだまま気持ちよくなってる限り、何も起きないんですよね。
そこまで辿り着けない奴は指をくわえて見てろ、という冷酷な(だけどある種の人間にとっては救いかもしれない)逃げ場のない問いがしばらく刺さったまま抜けません。
そんな読後感をもつ一作です。刺さる人にはマジで刺さると思うので、ぜひ。