第2話 おにぎり
◇
早速始まりました――ナギの3分で終わらせるクッキング?――ですが、本当に3分で終わるのでしょうか?
「まずはお米を研ごうぜ。最初に入れた水は捨てて、表面の糠やゴミを流すんだ。次にだいたい100回ぐらい研いだら、流水で透明になるまで放置する……こうしているうちに3分使い切ったぜ?」
「早っ! ナギぃ! 終わっとるやないかーい!?」
「ああ、企画崩壊だ……じゃ、お疲れ!」
「終わらすな! ええからはよ続きをやらんかい!」
「という訳で続きだ。今回は予算が無いので、安いお米を使う。米を洗ったら規定量のお水を入れて、塩、油を加える。ここに白だし、日本酒等を加えてもいいな」
「ほんでこちらが炊きあがったご飯やけど、ナギ、今研いだのはどないするんや?」
「追加分だ。今日のお客さんは?」
「人気ラーメン店の行列ぐらいおるで?」
「よし、おまえらもあたしと同じように米を研いで炊飯器にセットしろ!」
家庭科室に集まったいつものメンバーたちは、ナギのテキパキとした指示に従って米を研ぎ、次々とお米をセットして炊飯のスイッチを押していった。
「ところでナギぃ、給水時間はええんか?」
「ああ、今回はズボラ飯路線で行く。ウィラ、例えばプライベートだと部屋にパンツが転がっているようなズボラなお前でも、安心して作れるぜ?」
「せやな、うち、片付け苦手やからなぁ……って、ナギぃ!! 今は撮影中や! スタッフさん! 今のカットで頼んます!」
「編集めんどいのでこのまま回します」
今度は準備したご飯を使い、ナギは手際よくおにぎりを握っていく。
もちろん型を使ってもいいし、三角でも俵型でもよい。
具材も好きなものを詰め込めばいい。
定番の梅干し、焼き鮭、昆布の佃煮などもいいけれど、手作りおかか、肉味噌は最強クラスだと思う。
詰め込むスタイルもいいけれど、あえて具無しにして添えるなんていうスタイルもありだ。
最終的なかたちはどうであれ、ナギのおにぎりはこれといって特別なことをしている訳では無い……ただ、一点を除いて。
「おにぎりの手水だけど、一般的には濃い塩水だ。塩分濃度でいえば10%ぐらいだけど……あたしはあえて、白だしを手水に使う。メーカーによってまちまちだけど、濃いめ。今回は一対一ぐらいだ」
手水に白だしを用いることで、おにぎりを頬張れば口中に出汁の香りが広がっていく。
白だしでコーティングされた外側と、無垢な白飯の内側で描かれる濃淡で、幸せなひとときが演出されるであろう。
このまま具無しおにぎりで食べるもよし。
焼き海苔を巻くのもよし。
具材を入れるスタイルもよし。
具無しおにぎりと具材を別々に、好きなように楽しむのもよし。
「おにぎりって言ったらさ、形や具材、スタイルもそうだけど……これも欲しいよな?」
そう、おにぎりのお供として最強クラスの一角……豚汁である。
今回の豚汁については、くず野菜、それから余った煮物と豚コマを投入するスタイルを採用している。
「これは至れり尽くせりやけどナギ、予算的にはええんか?」
「ああ、今日のために先週の余り物を冷凍しておいた。もちろん業務用冷凍ストッカーだから安心してくれ」
こうして振る舞われたナギ特製のおにぎり、豚汁は大好評のうちに完売したのであった……やっぱりもう店だろこれ!?
――次回のナギの3分で終わらせるクッキングは?
予算不足につき、うどんをお送りいたします――――。
◇
ナギの3分で終わらせるクッキング? あらかも@IRIAM配信者 @around40came-on-babe
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