第3話 女子サッカー部の復活を目指して彼はマネージャーとなる

「ええ〜、ちゃんと学校情報見るんだったぁ〜……」


 僕達は女子サッカー部の屋敷へ通されて、僕の隣を歩く守華先輩は自分のミスに落ち込んでいる。


「まぁ、とりあえずお茶でも飲んで! ね?」


「あの……僕も良いんですか? 男子ですけど……」


「ん? とりあえず君は可愛いからオッケーって事で!」


 唯一の女子サッカー部員、守矢先輩がよく分からない許可を出してくれたので好意に甘える事にした。


 僕達は大きなテーブルのある部屋まで案内してもらい、守矢先輩が少し席を外して戻って来ると、コップに入った温かいお茶2つをトレイに乗せていた。


「粗茶ですが、どうぞー」


「ありがとうございます……」


 僕はコップのお茶を一口飲んで落ち着き、改めて守矢先輩と向き合う。

 掃除の頭巾を外して水色のショートヘアがハッキリ見えると、守矢先輩も可愛い美人だなと思える。


「あの、事情が分かんないですけど……廃部寸前っていうのは本当なんですか……?」


 デリケートな問題と思いながらも、何でこうなっているのか気になって僕は守矢先輩に尋ねる。


「別に初めからこうだったって訳じゃないよ? 以前の恋風女子サッカー部も強い時はあったし、何十人の部員もいたからね」


 今じゃ1人しかいない現状のサッカー部を思えば、何十人も居たのが想像し難い。


「そんな強かったの?」


「勿論、私はスマホのライブ配信で見てたし。当時の恋風と言えば輝いてて、高校女子サッカー界のクイーンって呼ばれるぐらいだったの!」


 クイーン……ていう事は1番強かったんだ。

 それがどうなって、今の1人だけになったんだろ?


「けど、黄金世代の先輩達が卒業してから優勝から遠のいちゃって……それに加えて新しく就任してた監督が最悪で、色々と理不尽だったりセクハラまであったから悪評が立っちゃったんだ……」


 うわぁ……最悪だなぁ。


 優れた先輩達の抜けた穴が大きかったのに加えて、導くはずの監督に問題あるなんて、それは許せないよ……!


「何その監督!? ムカつくなぁ〜、そいつさっさと解任させちゃえば良いのに!」


「いや、色んな悪事がバレて逮捕されちゃったから今はもういないけどね。それでも新しく来る部員が全然いなくて元々居た皆も部を抜けちゃって……」


 その監督に対して守華先輩も怒りを見せてるけど、肝心の本人はいなくなったみたい。

 というか逮捕って滅茶苦茶悪い大人だったんだなぁ……。


「今年中に試合出られる11人集まらなかったら廃部、だから廃部寸前の噂流れてるけど、そこに大花さんが入ってくれるのは本当に心強いの!」


 本当に嬉しいみたいで、守矢先輩は守華先輩の両手を握ってブンブンと握手してるのが見えた。


 今年部員が揃わなかったら廃部、僕の役目は部の場所が分からない守華先輩の手伝いだったけど、このまま帰って良いのかと思ってしまう。


 あの様子だと男子サッカー部には入部出来そうにないし、恋風で他にやる事が見つからない。

 男の僕が女子サッカー部に入って一緒に試合をやるなんて絶対無理だと思うけど。


「あの、僕も出来る事あったら力になります……」


 僕は2人に協力を申し出ていた。


 やっぱり放って帰る事は出来ないし、サッカーに携われるなら何もせず高校生活を過ごすより良い。


「本当!? じゃあマネージャーとして入ってくれる!?」


「え、ま、マネージャー……!?」


 急に僕へ凄い勢いで迫って来て、間近まで守矢先輩の顔が来ると思わず後ろへ下がってしまう。


 確か練習の準備をしたり、皆に飲み物やタオルを配ったりするんだったか……男の監督が居るぐらいだし、男子マネージャーも有りなんだ。


 僕は決心すると守矢先輩に頭を下げる。


「1年の小平神兎、女子サッカー部にマネージャーとして入部します!」


「やったー! よろしくね小平君!」


 守矢先輩は守華先輩へしたように、僕にも両手を握って嬉しそうにブンブンと握手してくる。

 意外と力強いなぁ……!?


「良いね、神兎君も居てくれるなら楽しくやれそうで嬉しいなぁ♪」


 守華先輩も僕の入部を笑顔で歓迎してくれて、さっきの追い出された男子サッカー部とは全然扱いが違う。



「あの──まずは何をすれば良いですか?」


「ううん、やっぱり部員を集めないと駄目だけど、1年の有力な生徒は他の部に行っちゃったから……。辞めてった人を説得して戻って来てもらうしかないかな」


 何をするべきか、僕が聞くと守矢先輩は腕を組んで考え込む。

 そこから出た案は退部した部員へ戻るように頼む事だった。


「1人1人を説得して周るかぁ、結構大変そうなミッションになりそうだね」


「せめてあの人──狼憐(ろうれん)先輩が居てくれれば」


「狼憐?」


 守華先輩だけじゃなく僕も誰だろうと、頭に?マークが浮かぶ。


「3年の守山狼憐(もりやま ろうれん)先輩、あの人が部員を纏めててリーダーのような存在で慕う人も多かったの。その人が抜けたのも大きくて、退部していくと次々に皆辞めちゃったから……」


 3年の先輩で精神的な柱のような人みたいだ。


 サッカーでもそういった存在は大きいし、いなくなったのは相当影響したんだね。


「その問題ある監督は辞めた訳だし、頼めば戻って来てくれそうじゃない?」


「そう思ってお願いしに行ったんだけど、断られちゃったんだ……無理強いも出来ないし」


 確かに戻りたくなくて嫌だと言う人を無理に戻す事は出来ない。

 自分から戻りたい、サッカーをやりたいって思わせないと。


 僕達は女子サッカー部を出て、守山先輩の説得に向かう事にした。


 ☆


「今日この後どうしようー?」


「ん〜、新作のリップ出たから見に行きたいから、そこ行こっか」


 複数の女子生徒が校内の西側にある広場で集まって、楽しそうに話してる姿が見える。


「あの人だよ、背が高くて銀髪の人」


 その中に頭1つ抜けて背の高い女子生徒が居た。


 守矢先輩の言う通り綺麗な銀髪で短い髪の人、彼女が守山先輩らしい。


 よし、此処は男子マネージャーとして頼れる所を見せないと!


「あの、すみません! 守山先輩ですか!?」


 その人の前まで僕は歩くと、後ろを向いている守山先輩へと話しかける。


「……何?」


 振り向いて来た守山先輩は上から僕を鋭い目で見下ろして来た。


「いや、えっと……あの……」


 目の前の迫力ある眼力に押されて、僕は言葉に詰まってしまう。


 怖い人だったぁ〜!!


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