風の暴力
ともゆり
1月9日 昼
夜働いてる僕は昼間に眠る。
夢の途中。
世界を叩きつけるような
風の音で目が覚めた。
うーん...
やばい!!
僕は勇気を出して、
暖かくて幸せな布団から出る。
そして、寒いベランダに出た。
ベランダに出ると
強風に煽られた洗濯物たちが
互いを叩き合い、
まるで喧嘩しているようだった。
僕は、この光景が好きじゃない。
だから、
風が強い日は外に干さないと決めている。
家の中に洗濯物を取り込む。
暖房の当たるカーテンレールにかける。
洗濯物たちは
暖房の暖かくて優しい風にあたり、
仲良くゆっくりダンスをし始めた。
僕はこのダンスが好きだ。
強風で、黄色い花の茎が
ぽっきり折れたことがあった。
強風で、白い陶器の植木鉢が
パリンと割れたことがあった。
強風で、
彼女が僕とのお出かけのために
一生懸命セットした髪が、
彼女の思いとともに吹き飛ばされたことがあった。
弱い風なら、
踊り、歌い、笑う。
彼女の髪だって、
きっと、もっときれいに見える。
みんなが心地よい世界だったらいいのに。
と思う。
けれど、
風には、強い日も弱い日もあって、
それを誰も選ぶことはできない。
唯一できることは、
風を受ける僕がもっと
柔らかくしなやかになることだ。
そうしたら、
どんな強風でも
壊れずにいられる。
言葉も、同じだと思っている。
風の暴力 ともゆり @yuri0428
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