第9話 📹残された手紙

 話の途中で、ふうっと一息つく。

 ずっと喋りっぱなしだったから、少し疲れちゃった。

 するとそれを察したように、悠真くんが動かしていたカメラを止めた。


「お疲れ。どうする、話すの変わろうか?」

「ううん、もうちょっと続けるよ。怜くんの手紙の内容までは、話しておきたいから」

「わかった。けどアレを話すなら、手紙の現物があった方がいいかもな」

「たしか、戸棚にしまってたよね」


 葵ちゃんが椅子から立ち上がって、戸棚を開ける。

 あの手紙は今、動画研究部の部室に保管されているの。

 誰かが代表して預かろうかって話も出たんだけど、みんなが集まるここに置いておく方が、良いような気がしたから。


 私は葵ちゃんから受け取った便箋から、手紙を取り出す。

 そこには、怜くんの字が綴られていた。


「なあ、本当に読むの代わらなくて大丈夫か? その手紙読むの、キツいだろ?」

「うん……けどそれは、悠真くんや葵ちゃんだって同じでしょ」

「それはそうだけど……」

「やっぱりここは、言い出しっぺの私が読むよ。カメラを回して」


 再びカメラのスイッチが入る。

 怜くんが残してくれた手紙。そこには、目を反らしたいある事が書いてあるのだけど……ちゃんと向き合わないと。


「それじゃあ、読むね」


 2人が頷いて、私は手紙を読みはじめた。

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2026年1月20日 18:00
2026年1月21日 18:00
2026年1月21日 18:03

逢魔が時の怪談語り 無月弟(無月蒼) @mutukitukuyomi

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