放課後の中学校を舞台に、幼馴染みで動画研究部に所属する三人が、一人ずつ怪談を語っている。
しかし彼らは、決して進んで怪談を披露しているようには見えない。そんな違和感を残したまま物語は進み、三人が語る怪談は次第に「当人たちの身に起きた、恐ろしい出来事」へと変化していき――。
ホラー作品には、やはり「ホラーらしい終わり方」があると思っています。
その点、本作はネタバレを避けつつ言ってしまえば、きっちりとその期待に応えてくれる作品でした。
序盤では、登場人物たちがどこからか仕入れてきた怪談話が語られ、それだけでも十分に怖く、面白く読むことができます。ですが、それらはあくまで前哨戦にすぎません。物語が進むにつれて、怪談の内容は彼ら自身の体験談へとフェイズを移していき、人間の醜さや、説明のつかない不気味で恐ろしい事件の存在が浮かび上がってきます。そして迎える結末には、思わずゾッとさせられました。
また、冒頭で「なぜ彼らはあんなにも乗り気でない様子なのに怪談を語っていたのか」という疑問が残るのですが、その理由が物語の中でしっかり回収される点も印象的でした。単に怖いだけでなく、構成面でも読みごたえのあるホラー作品だと感じました。
読み終えたあとまで、じわりと怖さが残るホラーを求める方におすすめです。
中学校の動画研究部に所属している三人は、放課後に「朗読怪談」の動画撮影をしている。ネットにも投稿しているのだが、視聴者の反応はいまいち。それでも続けないといけない理由があって……。
仲良し幼馴染グループによる楽しい部活動の話かと思いきや、あらら、これって……けっこうガチめにヤバいやつでは!?
構成が面白くて、それぞれが過去を語るパートと現在のパートが繰り返されていく中で徐々に真相が明かされていく。その真相が理不尽かつ恐ろしい。どうにかして、この子たちを助けて出してあげたくなります。
でも本作は「朗読怪談」の配信を文字化したものとも言えるんですよね。だから語られている内容も果たして……? なーんて考えてしまう余白もある気がします。
中学生3人組は動画研究会の仲間であり幼馴染です。
ただ、この3人には他に2人の幼馴染がいたのです。
その2人は『ノロイさん』という呪いによってまさかの……。
呪いをかけたのは誰なのか。そもそも何故彼らは呪われたのか。
その原因を知った時、犯人を知った時、とても大きな『理不尽』を感じます。
ただ、私はその犯人を純粋な『悪』だとは思えないのです。
それは彼らを呪う事になった動機にあるのですが……。
大切な人を理不尽に奪われたら、あなたはその犯人を許せますか? その犯人が今現在、子供を産み育て幸せに暮らしていると知ったら許せますか?
私は許せません。きっと、彼らに死ぬより辛い状況に追い詰める術を考えるでしょう。
だからこそ、私はこの呪いの犯人に同情し、共感してしまったのです。
ただ、中学生3人に罪はありません。それは分かる。分かるけれど……。これこそ、この作品が醸し出す極上の『理不尽』なのです。
そして呪いというものはなかなかその連鎖を断ち切ることが出来ません。一度は逃げられても、その念は消える事はないかもしれないのです。
読んでいて凄く悩む作品でした。中学生3人に同情しながら読めば良いのか、犯人に怒れば良いのか……。
でも、私は犯人を怒れない。彼女の事情に同情してしまったから。
あなたならどう感じるか、それはご自身の目と心でお確かめください。
放課後の教室で怪談を語る中学生3人組。
なぜ彼らがそんなことをしているのか、過去に遡って明かされていきます。
もともと5人組だった幼馴染グループが、4人になり、3人になっていく過程で浮かび上がってくるのが、とある『呪い』の存在。
それは彼らの親世代が中学生の頃に起きた事件が関係していて——
あまりにも理不尽で不条理で、だけど『呪い』の背景も一定理解できてしまう。
死に至る『呪い』を避けるため、彼らが見出した対抗策とは?
「交代で怖い話を語る」という形式で一貫して綴られていく構成がお見事です。
中学生が主人公ということもあり、児童書でもあり得そうなトーンのお話ですが、語られる闇の救いのなさたるや。
無駄のないストーリー展開でさらっと読める中編ですが、読了後も重苦しさを引っ張るようなラストで、紛れもないホラーでした。
本作を読んだ方、誰か美月ちゃんたちに呪いの解き方を教えてあげてくださいね!
私はホラーが苦手なのですが、この作品は読みやすくて、どなたでも楽しめる作品だと思いました。
この物語のキーワードは「呪い」で、子供たちに死の恐怖が迫っていきます。
しかし、子供たちもただやられるのを待つのではありません。
彼らなりに知恵を出しあい、力を合わせて、解決策を見つけ出そうとしていきます。
いったい誰が呪いをかけたのか?
なぜそんなことをしたのか?
この呪いを解く方法とは、何なのか?
こうした要素は、まさにミステリー。
彼らを待ち受ける驚愕の事実とは、いったい……?
怖いけれど、先を知りたくなるホラー作品です。
あなたもこの「呪い」の真相を確かめてみてはいかがでしょうか?
じわじわと恐怖が浸食してくるホラーの傑作作品です!!
中学校の部室、誰もがよく知る場所で、「怪談を語る」という、その行為そのものを物語の中核にすえた作品です。
放課後の、それはどこの学校でも、あるいは、皆様が学生の頃でも、ひそかな楽しみになっていたかもしれない、部室での怪談語り。そこで起きた怪異現象。
幼馴染みで動画研究部の3人がする怪談には、大きな秘密が隠されているのです。その秘密はラスト近くで、じわりと明かされます。
物語では怪談と現実が少しずつ溶け合い、どこまでが作り話で、どこからが現実なのか分からなくなる感覚があります。そこが本作ならでは怖さ、派手な演出に頼らず、じわじわと精神に染み込む恐怖が味わえます。
どうぞ、お読みください。