異国の自然の中で出会った一着のレインポンチョとの関係を、ユーモアを交えて描いた素敵なエッセイ。最初は不格好で不満だった道具が、過酷な環境の中で心身を守る相棒へと変わっていく過程が温かいし、日常でも、このような事は割とよくあるだろう。あれ変だなと思っていた何かしらが、実はすごく便利だったとか。山中での孤独な時間や、ポンチョの内側で過ごす静かなひとときがとても印象的だった。最後の理由なき喪失が、道具に宿る記憶の重みを静かに伝えてくる素敵な構成だと感じた。
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