エピソード??? 幼馴染の君へ

(どうせ...今日も机がなかったりするんだろうな...)


気持ち悪さが胃酸を込み上げてくる。また吐きそうである。重くなっていく足をなんとか動かし少しずつ階段をの持っていく。他の生徒の声が聞こえる。自分の悪口を言っているのではないかとすぐに疑う自分に嫌気が差してしまう。


(...着いちゃった)


覚悟を決めて教室のドアを通る


(...あれ?)


いつもなら教室のドアを潜るとみんなからの目線が一斉にこちらの方へ向きそしてその後に陰口を言われたり、物が飛んできたりする。

しかし今日はそれがない。いいことのはずであるのに何か不安が込み上げてくる。いじめが急に止むはずなんてことはない、何か原因があるのではないかと思いながら蒼真は自分の席へと向かう。


(なん...)


決していじめが無くなっていたわけではなかった。自分の席はなかったわけではないが、花瓶があり仏花が添えられていた。反応がなかったのも含めていじめだったのであろう。おおかたという扱いなのであろう。


(やっぱり...そうだよな)


席に着いたが座るのをやめクラスの外へでる。もうそろ朝のホームルームが始まるところだがそんなことはお構いなしに蒼真は屋上へと向かう。


(どうせ存在してない扱いなら授業なんていいか...)


担任もいじめに加担しているわけではなく、むしろいじめを無くそうとしているのだがいじめている証拠や誰か虐めているのかもわかっていないらしい。

2は自分のためになんとかしようとしてくれているのに当の自分は何にもできずに大人しくいじめに屈しているしかない自分が嫌で仕方がない。


(疲れたな...)


そう考えているうちに屋上に続く扉にたどり着く。幸い鍵は閉まっていなかったので重い扉を開けた。


「風が涼しいな...」


風に当たると気持ち悪かったのも落ち着き、気分も少しは良くなった。今日はこのまま屋上にいようかなと考えた。そして瞼の裏に熱が溜まっていくのを感じ、それは頬を伝っていくのを感じた。


「どこで間違えたんだろ...」


そう考えているうちに何やら身体が重くなってきたので少し横になることにした。


(...蓮..千紗..ごめんな...俺のせいで)


そしてだんだん意識が遠くなっていくのを感じ気付けばフェードアウトしていた。


~~~


「っは!」


起きると空がオレンジ色になっている。急いで時計を確認してみると時刻は16:11になっていた。


(結局サボっちゃったな...)


ゆっくりと身体を起こし近くに置いていたカバンを背負い帰る準備をし、階段を降りて行った。


(今日家帰ったら...親に相談しようかな...)


屋上で寝たからか自分で解決するのではないのではなく他の人にも頼ることにしていじめを無くそうと決心がついた。帰り際に教室によると誰もおらず相変わらず机の杖には花が置かれていた。


「まあ、そうだよね...」


そう言い残すと昇降口へと向かうことにした。蓮も千紗も先に帰ってしまったのか昇降口にはおらず大人しく1人で帰ることにした。


「そういえば朝なんで誰もいなかったんだろう」


昨日何か言っていたかと思い出そうとするか何故だか思い出すことができない。そういえば朝も思い出せなかったなと思う。どうしても思い出せない。頭にもやがかかったような気分である。

しばらく考え込んでみるが全くわかなかった。そうこうしているうちに家の前に誰かが立っているのが見えた。


「千紗?...と母さん?」


遠くからで見えないが千紗は泣いているように見えるし、母さんの服は真っ黒でそれは喪服であった。何かを察して急いで2人の元へ近づいた。


「どうしたの!?」

「ごめんね蒼真...役に立てなくて...」

「え!?」


家の扉が開きっぱなしになっていたので急いで家の中を覗いてみる。そこには喪服姿の父さんと妹と横たわって青ざめている——


「え?....俺?...」


それと同時に頭が痛み出す。全て思い出した昨日のこと。


いつも通りに俺は虐められていてボロボロであったがその日も耐えることができて家に帰ろうとした。けどそれは叶わなわず交差点で...誰かに押されてそのままトラックに...

思い出しただけで吐き気がしたが吐き出せない。朝もそうだった。そして繋がった蓮と千紗がなくなったって言っていたのは机のことだと勘違いしていたが俺が話のこと...

考えてみると確かに会話も成り立っていなかった気がする。机の上の花があったのも...

だんだん話が繋がると俺に押し寄せるのは猛烈な孤独感よりも瞼が熱くなっていくのを感じた。実際には涙が流れていないことがより一層死を実感させる。しばらく

すると千紗が横切った。そして一言——



「ごめんね蒼真...私が必ず見つけて終わらすから...」


そう言い残して私は涙を袖で拭い取り、蒼真に手を合わせる。待っててね蒼真、私の命に代えてでも見つけ出すから。不器用な私だから時間がかかるかもしれないけど待っててね。


そう——これは虐めから助けられなかった幼馴染蒼真の君への贖罪の物語だから



             幼馴染の君への贖罪——完










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幼馴染の君への贖罪 煮干しとたくあん @yozakurasaki

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