第3話



はじまりへ





そこから かおる○o。.


​それは かつてどこかで嗅いだ


「幸福」の腐敗していく匂い


​あるいは ボクがずっと


探す素振りをしながら 逃げ回っていた


唯一の 真実


​鼻腔を抜ける その香りに


ボクの輪郭は 静かにほどけはじめる


​ああ そうか


​ここが どこか


きみが だれか


​そんなことは 最初から


どうでも よかったんだ


​ボクを縛っていた 記憶という名の鎖が


唯一の毒の熱に 無残に溶かされていく


​空っぽになった風の 器に


新しく 満たされていくのは


​真っ白な


けれど すべてを含み孕んだ


静謐なる なにか


​ボクは そっと


自分の胸に 手を当てる


​ドクン!


​熱い…


​もう ボクを呼ぶ声は


どこからも 聞こえない


​ボクは 満足げに


最後の一滴まで その毒を飲み干した






あとさき


あとに残るはずの

キヲクが 先に ○o。

​ 

さよなら

昨日までの ボクの理由

​ 

こんにちは

これから始まる ボクだったもの

​ 

すべてを飲み干した

その瞬間に

​ 

それは

ゆっくりと

産声をあげた気がした

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あとさき みぃ @miwa-masa

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