第2話





定かではない。けれど。


それ以上に 大切なものが


ここには ある気がした


​飛び出しては いけない


そんな本能のサインを


どこか ここちよく感じている


​ボクは


差し出された 甘美な毒を


体の奥で ゆっくりと かみくだく


​そこから かおる


なつかしく むせ返るような


沈黙の匂い


​それは かつて愛した誰かの名残か


あるいは ボクが捨ててきた


昨日までの自分だろうか


​痺れは 指先から


静かに 思考を塗りつぶしていく


​もう 出口を探すのはやめよう


​正しさなんて


この真っ白な 虚無の前では


なんの意味も 持たないのだから


​ボクは 瞳を閉じる


​かみくだいた毒が


ボクの血となり 肉となり


​ボクはついに


この場所の一部として


完成する


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