第11話 魔王城への移動

 魔王ノーマの確保した宿で3人は朝を迎えた。

「おはよう!二人ともよく眠れたかな?」

「「はいっ!」」

 元気な返事が爽やかな笑顔二人分と共に返ってくる。

「良かった。美少女二人の最高の笑顔で朝を迎えられるなんて、ワタシにとっても最高の朝だよ。」

 二人とも顔を赤くしている。

「さあ、朝食を摂ったら馬車に乗って出発しよう。今日のうちに国境を超えてしまうのが目標だ。」

「わかったわ。あれ?でも御者はどうするの?」

「ん?当然ワタシがやるが?二人はゆっくりしてくれていて良いのだよ。」

「え?で、でも…」

「そんなことを気にするよりも、決闘の時に全力を発揮してくれた方が助かるよ。」

「わ、わかった。でもボクは攻撃魔法全反射するんだよ?だから勇者に選ばれたのだと思ってたんだけど、それでもノーマは大丈夫なの?」

「ワタシの魔法は大軍勢には使い物にならないし、実は魔力量もそれほど多くないんです。だから自称『最弱の魔王』なので、部下に就こうとする者もいないんですけどね。その分、魔法での直接攻撃はあまり考えてないんですよ。

 まぁ、最弱なりに戦い方はありますから。ちゃんと勝負になると思いますから、安心してください。」

「そ、そう、わかったわ。じゃ、ゆっくりさせてもらうね。」

 そう言ってカオルとアリスは馬車に乗り込んだ。


 馬車の中で二人で相談しているようだ。

「ねぇ、ノーマは大丈夫なのかな?ボクが本気で攻撃したら、ボクの剣を受けられるとは思えないけど…」

「でも、動きはすごく早そうだよね。私は回復と防御に支援魔法くらいになるから、直接は攻撃できないけど、カオルの攻撃を避けて私を狙ってきたらどうしようかな?咄嗟に防御できるかな?」

「そうだね。それがノーマにとって一番確実な戦い方かな?それを想定して連携を考えてみようか。」

 ふむ。まぁ、想定通りの戦法予想だな。もっとも、そんな戦法採らないんだけど。

 

 そんな感じの道中を過ごし、国境が近づいてきた。

 …あー、盗賊のフリをした男達が近づいているな。数は…五人か。よく訓練されてる。王国の暗部かな?それとも誰か王太子派閥の貴族の私兵か?

 一応後ろにも声をかけておこう。

「カオル、アリス、気付いているかも知れないが、五人ほど気配消して近づいてきてるのがいるが、わかるかな?」

「え?待って…ああ、確かに。国境越える前に仕掛けてくるつもりかなぁ?」

「いや、むしろ国境超えてから、ですね。」

「どうして?」

「王国領内で襲われるというのは、王国の治安に問題がある、というのと同じです。体面の問題ですね。

 あとは、魔王の使者が…ワタシのことですが、見た目弱そうだから、魔王の使者が守れない、と難癖つけるため、でしょうね。」

「そっかー。ノーマが魔王本人だなんて知らないもんね。

 あれ?でも五人って言ったっけ?四人じゃないの?」

「五人ですよ。一人だけ異常なくらい気配断ちが上手いので、その一人は状況見て報告する係なんでしょうね。襲ってくるのは四人だけだと思います。まぁ、ワタシにはバレバレなので、逃しませんが。

 襲ってきたら、ワタシが真っ先にソイツを潰しますね。他の四人は殺しちゃっても大丈夫ですから。ソイツから情報取りましょう。」

「そっか、襲ってくるのは四人。生死問わず、だね。ボクが一気に叩けば良いし、その間アリスには馬車と馬を守るように防御魔法かけてもらえば良いかな?」

「ええ、それでお願いしますね。ワタシは情報源を確保しに行きますから。」

「はい。わかりました。私は守る専門で。」

 作戦会議終了。

 

 こうして、国境を越え、しばらく進んだところで野営に向いているところに着いた。

 小声で作戦会議の続きを。

「野営の準備しますか。

 罠を張る事にしましょう。

 ワタシは薪を取りに行くフリして情報源確保しますね。襲ってくるのが目に見えてますから、アリスは防御魔法を準備しておいてください。

 カオルは即時戦闘で、相手が見えた瞬間に先制攻撃で叩きのめしてください。向こうに話とかさせる時間作ると対処されるので、いきなり攻撃して慌てさせてくださいね。その方が後が楽ですから。」

「わかった。」

「じゃ、作戦通りに。」

 さぁ、楽しい狩りの時間だ。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2026年1月16日 01:00
2026年1月17日 01:00
2026年1月18日 01:00

最弱魔王の奮闘記 あるべると・のいでん @noidenster

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る