なんと繊細で美しい世界観、そして闇から蘇る葬られた事実が胸を刺す

 蓮見はAIの小春とともに残留思念を義体に憑依させて15分だけ蘇らせることができるデジタル・イタコである
 彼の元を訪れる依頼者たち、そして逝った人々の隠された思いとは。

 美しく繊細な言葉の結晶が形作る大正時代風の世界観は読んでいるだけで没入できる。散りばめられたSF的なガジェットが面白いし、静かに進むストーリーも奥が深くていろいろ考えさせられた。音楽のチョイスも素敵。

 そして時々さしはさまれる主人公の独白がこの上なく胸を揺さぶって、余韻を残す。
 最高の読後感でした。

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