第5話 「素直に祝われろ」って思った。
夕方、スマホが震えた。
黒川くんからだった。
「そうですね」
それだけ。
私はベッドに倒れて、天井を見る。
スマホは手に持ったまま。
画面の明るさだけが、少し残る。
しばらく、そのまま。
「そういうとこだぞ」
返事は来ている。
でも、会話はそこで終わった感じがする。
上半身を起こして、もう一度画面を見る。
返信欄を開く。
前にも、こんな調子だった気がする。
説明はある。
感想はない。
昼休みのことが、ところどころ浮かぶ。
学食のざわざわ。
トレーの音。
言えば、すぐ返ってくる感じ。
そのまま、打つ。
「恩返しで、親孝行はしなきゃね」
文は短い。
一度だけ、画面を見る。
そのまま、送信する。
画面に文字が残る。
少しして、既読がついた。
私はスマホを伏せて、立ち上がる。
立ち上がった拍子に、ベッドがきしむ。
肩が、少し軽い。
キッチンのほうを見る。
コップを洗っていなかったことを思い出す。
シャワーを先にするか、少し迷って、
まあいいか、と思う。
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