第4話 「充実した一日だったと思う」
午後の講義は、基礎科目で、大教室だった。
進級に必要な単位なので、誰もが受講する。
教授の背にある黒板に、チョークの字が並ぶ。
途中から少し崩れて、何行かはもう読めない。
教授が振り返って、
「ここ、試験に出ますよ」と言う。
教室のあちこちで、小さくブーイングが起きる。
困った顔をしている人は多かった。
理由は、たぶん同じだ。
説明はそのまま先に進む。
黒板は消されて、また書かれる。
講義が終わると、人が一斉に立ち上がる。
椅子が動く音が重なる。
廊下に出て、美緒や玲奈と並ぶ。
さっきの黒板の字が読めなかった、という話になる。
美緒が、サークルの先輩のノートのコピーがあると言う。
玲奈がお願いするのはめずらしい。
由奈も一緒に頼んだ。
外に出ると、思ったより暖かい。
上着を脱ぐかどうか、少し迷って、そのまま歩く。
売店の前で立ち止まる。
期間限定のお菓子があって、結局それを買う。
美緒への報酬の、先払いだ。
玲奈はドリンクを奢っていた。
構内のベンチで、
お菓子は、結局三人で分けて食べた。
由奈は指についた粉を払って、笑う。
途中で一度だけ、スマホを見る。
時刻は、もう夕方だった。
そのまま、バッグに戻す。
自然に解散する。
帰り道は、少しだけ賑やかだった。
特に急ぐ理由はなかった。
「帰ろ。つかれた」
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