第51話 老剣士の終着点


丘の近くに、

小さな家が

建った。


次郎は

畑を耕し、

朝に

剣を

磨くだけの

日々を送る。


鑑定は

使わない。


身体強化も、

ほとんど

使わない。


それでも、

身体は

よく動く。


ある日、

子供が

剣を

教えてほしいと

訪ねてきた。


次郎は

笑う。


「振り方より、

立ち方だ」


剣は

力じゃない。


生き方だ。


夕暮れ、

丘の剣が

風に

鳴る。


次郎は

それを

聞きながら、

目を閉じる。


世界は

今日も

歪まず、

静かだ。


勇者はいない。

英雄もいない。


だが、

剣士は

確かに

生きていた。


秋山次郎、

六十三歳。


異世界で、

ただの

剣士として。


――完――

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追放された老剣士、レベル1から異世界を斬り拓く。 塩塚 和人 @shiotsuka_kazuto123

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