POOLCORE

「(......きて.......起きて.....!

何か聞える

「起きて!!!」

「はっ!」

ここは.......?

「おかえり。」

「先輩..........!!!」

咄嗟に逃げてしまった。

「ステイラーに逢ったんだろ?」

..........っ!!!

「安心しな。」

そう言って手首の皮の端を

噛み千切り始めた先輩。

右腕から滴る血液は

真紅そのものだった。

安堵した私を、

先輩は慰めてくれた。

今まで脳の引き出しに溜めていた

いろんな感情が一気に溢れ出て来て私はその場で泣きじゃくった。

先輩は「大丈夫だよ。」

と優しく背中をさすってくれた。

「落ち着いたか?」

「はい......。」

「無理すんなよ。」

「あの......。」

「ん?何だ?」

ここに来てから気になってた件、日記の件を先輩に話した。

「..................。」

先輩は黙り込んでしまった。

「必ず説明すっから

少し整理させてくれ。」

~三分後。~

「少し長くなっけど聞いてくれ。

先ず、ここが何かだよね?

ここは僕の夢の中、

現実逃避したい時に

ここによく来る。

そしてこの場所は、

夢の中でも

最も嫌な夢である悪夢の中。

そしてこのプール空間を

[ナイトメアプール]

(悪夢のプール)と呼んでいる。

僕はこういう誰も居ない空間を

作り上げるのが大好きなの。

つまりここは臆病な僕の

悪夢の中に過ぎない。

言い忘れてたけど、

君は僕が連れて来た。

.......ゴメンネ。

BACKROOM........

黄色い部屋に飛ばされただろ。

あそこは僕の心の闇.....

最も心の闇が深い区域。

僕はあの空間が大嫌いだ。

自室を模した部屋に、

蛍光灯から鳴る

[ブーーッ.....]という電子音。

気味悪いエンティティーの数々。本当にどれも

気味悪くて仕方無い。

こんな力が使えると

初めて知った時に

無意識に生成した空間。

エンティティーというのを

設定資料と共に生成していた。

一時間経つと

出られる様になっている。

そして、訳も分らず

自分が作り上げたステイラーが

襲って来て気絶させられた。

目が覚めたら、

このプール空間に居た。

僕が願えば何でも生成出来る。

鶩も、部屋も、飲み物もそうだ。

ステイラー以外に襲われても、

自室を模した部屋に

戻されるだけだが、

ステイラーに襲われると、

二度とBACKROOMSに

入れなくなってしまう。

ステイラーの御蔭で僕は

アクセス権限すら

無くなってしまった。

他人が来た際はBACKROOMSに

アクセス出来る様になっている。

行きたくは無いが、

後で出入口を教えよう。

因みに服装や、

スポーン場所は毎回ランダム。

裸の時もあれば

変な服を着てる時もある。

目覚めてから1時間の間は

ここの空間の記憶が無い。

あぁ後、日記の事だったね、

君が見たと言う日記.........

書いた覚えが無いから恐らく.......僕の心の闇が

形になった物だと思う。

この力は不完全なのと使い方を

今一理解出来ていないとで、

どういう働きをするのか

全く分っていない。

引き込み以外での

暴発も有り得る。

稀に僕が連れて来る以外で

ここに来る奴がいる。

これも暴発の影響かと。

僕からの話は以上だ。

ここまでの静聴、ありがとう。」

そういう事、

道理で無から鶩や自販機、

部屋が生まれてたわけね。

「先輩。」

「どうした?」

「先輩がここに連れて来た理由、私への仕返し....ですよ、ね....?」

「その逆、謝りたかったんだ。」

「え?」

「日記、読んだんだろ?

僕が君と君の彼氏の話に

首突っ込んだから君は怒った。

これを僕の自業自得と

言わずして何と言うんだ?

僕が君に怒れる要素が

完全にゼロじゃないか。」

「それでも階段から

突き落したのは私ですし.....。」

「だからどうした?

問題はソコじゃないんだから

僕は別にそんなのは重要だとは考えて居ない。」

「いや、でも...んん?!」

突然私の手を捕んだと思えば、真剣な顔付きに変わった。

「君と君の彼氏との間柄を

邪魔する様な真似して、

ごめんなさい。」

..........

「そんな、頭を上げて下さい。

謝るべきなのは私です。」

「.............。」

「なぁ............」

「結局のトコ、何があったの?」

「........巫袴兎ちゃんと

浮気してたんです。」

「へ?!マジメな彼奴が!?」

「そうなんです......。」

「...........。」

先輩はまだ隠し事をしていた。

「フッ....wなんてなw。

彼奴、君の誕生日の事、

考えてくれてたんだぞ?」

「へ?」

そうだ、

20日(あの日)は私の誕生だ。

「巫袴兎、君の為に色々

動き回ってくれたんだぞ?

特に彼奴メインに。」

え.......?それは一体........

「だから何方かって言うと、

巫袴兎から近付いたが正しい。」

何故.........

「一番仲が良い友人が彼氏に助言すれば事が早く進むだろ?」

「んんそうですね...

そこまで考えてませんでした.....」

先輩の言葉に

ぐうの音も出なかった。

「彼氏を疑うよりも先に、

状況確認も大事だよ?

......状況確認も普通に出来ないで突っ走ってる僕が言うのも、

アレなんだけどね。」

.....あれ?

何方にせよ私が悪くないかしら?

私が勘違いしなければ先輩も........

「....また階段から落ちた事、

考えてたろ?」

「だって......だって........。」

「好い加減気にするのは止めれ。本当に此方が申し訳無くなる。」

何で?何で?何でこんなにも先輩は私に優しくするの?

罪滅ぼしの為?とはいえ普通ここまでするかしら?

「Thank you I'll say goodbye soon though it's the end of the world」

「は?もう朝かよ......。

まだ話足りねぇよ。」

「どういう事ですか?」

「この空間は朝までもたない。

時間切れ。

君は恐らくもうここに来ない。」

それってつまり......。

「今週の日曜、

磯島総合病院に来て。」

「分かりました。

先輩はどうするんですか?」

「僕はまた病院で

意識を戻せるか試してみるよ。」

「分りました。

頑張って下さいね!」

「ありがとよぉ.....。」

<ピピピピピピ............>

「はっ.....!!!」

今度こそ家......よね?

廊下に出てみる。

「黄色い部屋に出ません様に。」

ドアの先はいつもの

見慣れた廊下だった。

本当に夢......だったのかしら?

「あらおはよう。

いつもより早いわね。」

「うん.....。」

早速本題に入る。

「お母さん、

磯島総合病院って知ってる?」

「知ってるも何も、

私が働いてる病院だもの。

前に言わなかったっけ?」

「そっか.....

あのさ、今度の日曜日に

連れてって欲しいの。」

「なんで?」

「私のリュックが先輩の体に

ぶつかっちゃって、

先輩を階段から

突き落しちゃったの。」

「え?........

どうしてそんな大事な事

言わなかったの?!」

「先輩の親に口止めされてたの」

「そっか.......そういうこと。

今週の日曜日で良いのよね?

丁度私出勤日だわ。」

「ありがとう。」

----------------迎えた土曜日---------------

「何号室の何階?名前は?」

「部屋は分らない。名前は.......「麗鳳さん。お早う御座います」

「あら磯島医院長。

お早う御座います。」

「こちらの方は.....アレ?」

「どうかされましたか.....?」

「わざわざ来てくれたんだね。

ありがとう。」

「あの......これは一体...?」

「涼弥のトコへ案内するね。」

先生は病室まで案内してくれた。

「ここだよ。」

そういってドアを開けた。

「親父、何のy......麗鳳さん.....

来てくれたんだね。ありがと。」

頭に包帯を巻かれた先輩が

笑顔で迎えてくれた

色々な感情が交ざり合って

私は思わず号泣してしまった

「泣くなや。」

「ごめんなさい...

ごめんなさい...。」

「目覚めたんだぞ?大丈夫だってw

ほら、こんなもうに元気。

来週は普通に学校行くよ。

「本当ですか?」

「あぁ、

今日は来てくれてありがとな。

プールの件も色々ごめん。」

先輩も覚えてる...

やっぱ夢だったけど、

実際にあった夢なのね。

「プールの件内緒ね。

プレゼントをあげるから。

ポケット、見てみ。」

私のポッケを覗いてみると、

鶩の玩具が入っていた。

「ガァガァ.....」

「いつの間に...アハハっ!!

そうだ、プーパーさんに

ごめんなさいとお伝え下さい。」

勝手な行動をとって

はぐれてしまったっきり

合うことが出来なかった

プーパーさん。

大丈夫かしら......?

「オッケー、伝えとくねww

おっと、面会時間が終るよ。」

「あっ、それじゃあ先輩。

また、来週。」

先輩は何も言わず

笑顔で見送ってくれた。

その夜はぐっすりと眠れた。

「............さん、

麗鳳さん.......麗鳳さん!!」

「はっ!!!」

「やっと気が付いたか。」

塩素のニオイ、沢山の水溜り。

既視感が....

「アレ?ココドコ......。」

棒読みで喋る私。

「あのさぁ........」

嫌な予感が.....。

「僕の力が暴発したみたいで

また連れて来ちゃったぜ★」

「えぇ.....ハァ.....

また一緒に、脱出しましょう!」

「おう。」

      END

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ESCAPE OF THE DREAM BACKPOOLS 山ワサビドレッシング @yamawasabi_dressing

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