派手な怪異は出てこないのに、読後には強い恐怖と余韻が残る

「約束」という温かな言葉が、ここまで残酷な意味を持ちうるのかと震えました。
家訓として刷り込まれた“約束は守られるもの”という価値観が、少しずつ歪み、最後には逃げ場のない呪いへと変わっていく過程がとても丁寧に描かれています。

母を責めず、健気に振る舞う主人公の姿があるからこそ、兄の死や家庭の崩壊がより痛々しく感じられました。
そしてラストの一文で、すべての原因が愛情と教育にあったと突きつけられる構成は良かったです。

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約束

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