第3話 未知なる世界

 文学賞を受賞して、書籍化検討段階にはいると、ここから先はまったく未知の世界だった。


 それで、どうなったかというと、まずは編集部が担当の編集者を付けてくれることになった。

 もちろん、これも初めての経験で、これだけでもかなり嬉しかった。

 しかし、そのあといろいろと作業が発生したわけで……このあたりは、残念ながら守秘義務があって、書くことができないけど、会社員としての仕事もしながらだったので、一気に忙しくなった。


(今受賞や書籍化を目指している人は、プロットをきちんと書いていることをお勧めします!)


 ちなみに、受賞したことは、この時点で家族や職場の同僚にも打ち明けた。

 ちょっとハーレム系のタイトルの小説だったけど、いかがわしい内容のものではなかったので、 (そのことも含めて)きちんと説明した。


 とはいえ、この時点ではまだ賞金数万円が確定していただけで、本になるかどうかはまだ未定の段階。

 それでも念のため、もし出版されたら副業とみなされないかどうか、上司を通じて会社の管理に問い合わせてもらったところ、


「文学賞を受賞して出版されて、それで印税が入ってくるような話なのであれば、会社の仕事に支障が出なければ問題ない」


 との回答をもらい、これで会社公認となった。


 で、同僚の反応はというと、これは人さまざま。

 単純に「すごい」という人もいれば、「ふーん」程度の人、まったく興味を示さない人もいた。

 中でも、僕が小説を書いているという話をしたときに、


「まあ、文学賞でも受賞して出版でもされれば買って読んであげますよ」


 と言っていた同僚のYは、


「まだ本になると決まったわけではないですよね? 本になってから言ってくださいね」


 というような、上から目線のままだった。

(ちなみに彼は読み専門で、『自分の方がたくさん読んでいるから知識は上だ』というスタンスに思えた。本人に悪気はないと思うけど、いつか凹ませてやりたいと思った)


 あと、両親は喜んでくれたものの、半信半疑の状態。

 特に父親は、自分でも小説を書いて、コンテストに応募したりしていたこともあって、


「先を越された」

 と苦笑いされたのが印象的だった。


 そして、いよいよ飛躍となる翌年を迎えた。

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