第3話 来年の運気

「来年はいい年になりますか」


「来年、ああ良くないね。今年と同じ。四苦八苦して、五里霧中の中で七転八倒の運気」


「そんなあ😭」


「ああ、ここで泣かないで。泣かれても運気は変わんないからね。泣くなら家で泣いて」


「来年こそは、って期待してたんですけど」


「べつに、今日が明日になるだけだよ」


「今年で悪いこと終わらせて、いい年にしたいんです」


「自分が変わらなきゃ、何にも変わらないよ」


「私、どうすればいいんですか」


「ダメンズと別れて、嫌な仕事はやめて、やりたい仕事探して転職して、趣味の悪い数珠とか買うのやめて」


「えっ、なんでわかるんですか」


「いや、長い髪で隠してるけど、見えてるよ、痣。あと、服と合わない数珠してるし。そのでかい数珠、プラスチックじゃん。仕事は勘だけど」


「えっ、これ、100万円したんです。変な霊が憑いてる。これを着けたら霊が離れて運が開けるって」


「うん、詐欺だね」


「うわぁあああん😭」


「だから、ここで泣かないで。まっ、弁護士なら紹介するよ」


「私、幸せになれますか」


「どうかね」


 ピンポーン♪


「毎度、去来軒です。ラーメン🍜お届けに来ました。今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いしまあす」


「ふふ、今日が明日になるだけだよ。今日も明日も毎晩このラーメンを食べる。何も変わらない」


「年越しそばじゃないんですね」


「細く長くなんてまっぴらごめんだね。食べな。」


「えっ、でも毎晩食べてるのに」


「ふふん、特別だよ」


「い、いただきます」


「食べたらさっさと帰っとくれよ。もう眠いんだ」


「除夜の鐘、聞かないんですか」


「煩悩なんて祓えないよ。死ななきゃね」


「ご馳走様でした。ありがとうございました。よいお年を」


 今日が明日になるだけなのに、世間はなんだか騒がしい。




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嫌な占い師と……な客 一郎丸ゆう子 @imanemui

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