第25話
話さなくなってから、
不思議なほど、目はよく合った。
授業中、
廊下ですれ違う一瞬、
何気ない沈黙の中で。
目が合うたび、
胸の奥がざわつく。
彼女は何を考えているんだろう。
俺をどう思っているんだろう。
問いかけたいのに、
罰ゲームがそれを許さない。
俺は気づいてしまった。
彼女から、目が離せなくなっていることに。
沈黙は距離をつくるはずなのに、
視線だけが、逆に近づいていく。
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