第11話
最近、瑠璃はよく笑う。
理由はよくわからない。
俺の話がくだらないからだと思っていた。
下ネタを言えば笑うし、
どうでもいい思想を語れば、
「それなにそれ」って声を上げる。
それだけで十分だった。
俺は、人と距離を取るのが癖だった。
怖さを理解しているから、
近づかない。
近づかなければ、
誰も傷つかないし、
自分も傷つかない。
だから、
今のこの距離は、
たまたまだと思っていた。
LINEが来る。
ツムツムの通知。
深夜のくだらない会話。
全部、日常の延長だ。
「お前ら仲いいよな」
男友達にそう言われても、
「たまたま」って流した。
瑠璃が誰と話していても、
俺は気にしなかった。
気にしないふりじゃなくて、
本当に気にしていなかった。
ただ、
彼女が笑っているのを見ると、
安心した。
それが、
何を意味するのかを考えるほど、
俺は器用じゃなかった。
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