すてきな人たち

友達とカラオケに行った時にバスの中から一瞬だけみたおばあさん。

朝九時ごろの冷たい空気が頬を撫でる中、バスが信号で止まった。

ふと外を見るとすてきなおばあさんを見かけた。

黒のふんわりとしたワンピース。派手すぎずかっちりしすぎず、白い肌のおばあさんに、よく似合っていた。

また、そのおばあさんは黒のキャペリンハットをかぶっていた。

白い肌と白髪、黒の帽子とワンピース。色の対比がただただ美しかった。

このおばあさんはある洋服店の前で立ち止まっていた。お店の展示しているものを見ているみたい。おばあさんの目線の先には真っ白のワンピースが。

袖の部分がふくらんでいて、スカート部分には細かなレースやお花の刺繍。

きっとこのすてきなワンピースにおばあさんは心奪われたのだろう。

色白で線の細いおばあさんにはよく映えるのだろうとも思った。

朝の澄んだ色が目に広がる中、すてきなおばあさんとすてきなお洋服が出逢ったお話。