第5話 人類の総意
矛はマッハ50を維持したまま地表へと落下し続けている。
約10万体の全ロボットは頭上に盾を構えて、矛を待ち受ける体勢を取った。
ぶつかり合う面積だけで判断しても、今のサイズの矛を受け止めるのは100万体のロボットが必要だと思われる。
テレビ放送、インターネット中継、動画配信アプリ、ラジオ中継等、様々な方法で現場の状況が世界中に生中継されている。
小国サイズの矛と10万枚の盾が衝突した。
音は遅れて爆音となり響き渡る。衝突による衝撃波が周囲を襲う。
結果、低予算で作られたロボッ卜1万体ほどが形状を保てなくなった。無論、中のパイロットも諸共に。
無事だったパイロット達は、(地表に矛が落ちるのは防ぎようがない。だが、落下速度をゼロにして落とせば惑星へのダメージ最小限に抑えられる)皆がこのように考えていた。
実際の所、惑星の質量の十分の一程の鉄が地表にあったら、自重と重力で地中へと沈んでいく。
9万体のロボットは盾を頭上に構えたまま地面に沈み始めた。勿論、矛が落下し続けている為である。
矛の落下速度は低下したものの、依然として落下し続けている。
9万体のロボットの内、殆どのロボットの高さ(身長)は20メートルであったが、全ロボットが腕と盾を残して、地中に沈んでいる。
この様子を生中継で見ている人々は。
(頑張れ)
祈り
(頑張れ)
願望
(頑張れ)
羨望
(頑張れ)
切望
(頑張れ)
叱咤
(頑張れ)
激励
(頑張れ)
焦燥
(頑張れ)
希望
(頑張れ)
熱望
(頑張れ)
期待
熱意を持ってパイロット達を励まし続けた。正に全人類の気持ちが一体化していた。
その熱意は管理者の元にもシッカリと届いた。
「良いだろう」
管理者が力を使った。
管理者の力に拠り、矛は完全に消滅した。
矛と盾 愚か者たち 桃月兎 @momotukiusagi
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