オカメインコは本物の卵の夢を見るか?

「カクヨムコンテスト11【短編】」の恒例企画、「お題フェス」。第二回のお題が「卵」と発表された時、私は確信しました。
 オカメさんが来る、と……!

 本エッセイの作者・幸まるさんは、ご自宅で飼っておられるオカメインコのエッセイ『うちのオカメさん』を書かれておられますが、そんな愛すべきオカメさんの日常の中から、「卵」に関する不思議な行動にスポットを当てて描いたエッセイが本作です。

 まずオカメインコの生態(発情期を迎えると、単体でも卵を産む!)に驚き、次いでオカメさんの愉快な行動に頬が緩みます。しかし卵を産むことは体力を消耗することにもつながりますので、いかにして発情を抑えるか、飼い主の試行錯誤が始まります。

 ユーモラスな描写と、オカメさんへの愛情あふれるエッセイ。読んだ方は、最後の一文に、生命への愛を感じることでしょう。
 年末年始におすすめの短編エッセイです。

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