寄り添うことで生まれる光

冬の日、福祉支援活動を行う春松のもとに、中学生の少女・真琴が預けられる。彼女は事故で両親を失い、心に深い傷を負っていた。

春松の家には過去に虐待を経験した幼い潤一郎も暮らしており、最初は距離のあった二人だが、次第に絆が芽生えていくーー。

親を亡くした子どもと、親に捨てられた子ども。似ているようで違う傷を抱えた二人が、同じ家で少しずつ癒やされていく過程が丁寧で胸に響きました。

一方で、加害者をめぐる真琴の復讐心が生々しく、現実の理不尽さも突きつけられます。

「陰翳」という題名のとおり、闇と光が隣り合う物語でした。最後の台詞の真意はなんであったのか。救いのある結末であることを祈ります。

面白かったです。