★
0
概要
人生という限られた時間・空間を過ごす人々へ…選択の時が来た。
主人公はどこにでもいる女子高生のナツミ。
日常の些細な変化を見つけることが、ナツミの特技だった。
――だから、あの日もすぐに気づいた。
駅前の古い時計が、ほんの少しだけ、遅れていたことに。
いつもなら七時十二分を指しているはずの針が、七時十一分と半分くらいで止まっている。
秒針は動いていない。でも壊れている、という感じでもない。
まるで、時間だけが息を止めているみたいだった。
「……まあ、いっか」
ナツミはそう言って、歩き出す。いつも通り、パン屋に寄って、いつも通りのクロワッサンを買って、いつも通り改札を抜ける。
そのはずだった。
改札を通った瞬間、背中に、ふっと風が当たった。
冷たくもなく、温かくもなく、ただ「通り抜けた」という感触だけが残る風。
振り返っても、誰もいない。
「……?」
首
日常の些細な変化を見つけることが、ナツミの特技だった。
――だから、あの日もすぐに気づいた。
駅前の古い時計が、ほんの少しだけ、遅れていたことに。
いつもなら七時十二分を指しているはずの針が、七時十一分と半分くらいで止まっている。
秒針は動いていない。でも壊れている、という感じでもない。
まるで、時間だけが息を止めているみたいだった。
「……まあ、いっか」
ナツミはそう言って、歩き出す。いつも通り、パン屋に寄って、いつも通りのクロワッサンを買って、いつも通り改札を抜ける。
そのはずだった。
改札を通った瞬間、背中に、ふっと風が当たった。
冷たくもなく、温かくもなく、ただ「通り抜けた」という感触だけが残る風。
振り返っても、誰もいない。
「……?」
首
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?