天才になれぬ狂人の悶え。


 俺は人間の、世界の真実を知っている。

 周りの俗物どもとは違う。無理解に苦しみながらも、血を吐く思いで創作を続けている。

 そんなある日、軽口と愛嬌だけでのし上がる宮尾という「現実」の象徴のような奴に――直に触れてやる機会が生まれた。



 馬鹿と天才は紙一重。
 または、狂人と天才は紙一重とされている。

 特に小説や漫画は、この狂気が世界的な反響を与えることもある。
 決して少なくない人が、天才の座を追い求める。

 しかしそれは、砂上の楼閣にある一粒の砂金ほどの割合でしかないし、何よりも常人に本物と偽物をより分けるだけの力はないのだ。

 この作品は登場人物が愚かに狂気へと堕ちる姿を描くとともに、何をもって紙一重を越えるのかを示している。