第3話 中部地方のとある場所について
私はUFOが好きなので、あの神社で見たUFOがホンモノだったらよかったのになあ、と、そのころ思っていました。
ですが、あの神社で見たものは、起きているのか寝ているのかわからないような、疲れ切った状態で見ているものです。ちゃんと正気で起きているときに見ていなければ、ホンモノのUFOを見たとは言えないのではないか。ずっとそう思っていました。
そんなある日、実家へ帰る用事ができ、いつものように駅からバスに乗って実家近くのバス停で降りました。
私の実家もあの神社に負けず劣らず田舎の山中にあります。バス停の周りは林しかありません。それなのに、バス停に降りたとたん、頭の真上からの視線に気づきました。
都会のビルの上の方から下で歩いている人を見ている、そんな感じの視線です。
周りには木しか生えておらず、そんな高いビルもない田舎の山の中です。
おかしなこともあるものだと思い、視線の方向へ顔を上げてみました。
するとそこに小さな白い点が飛んでいました。
ちょうどその場所は木がなく開けていたので、空が広く見えました。ただ、その方角にはヘリコプターが発着するところが当時はあったので、もしかしてそこのヘリなのかな? と思いました。
でももしヘリなら、もっと大きく見えるはず。おかしいな? あんなところを飛ぶ飛行機もないし?
そのまま見つめていると、近畿地方のあの神社へ一緒にいったことのある友人Mの言葉を思い出しました。
その昔、MはUFO目撃情報が多くある、とある山の麓を通る高速道を走っていたとき、同じように白く光る点を見たことがあると言っていました。
「UFOはね、ちゃんとUFOってわかるように飛んで下さい! ってお願いすればいいのよ」
Mは誰かから聞いたニューエイジ豆知識を思い出し、その白い点に向かって言ったそうです。
「UFOさん、UFOさん。もしほんとのUFOだったらUFOだとわかるように飛んでください」
するとその白い点は山の上をふわふわと揺れながら飛んで行ったのだと。だからあれはホンモノのUFOだったのだと。
その話を突然思い出しました。
ホンモノを確認するなら今しかない。
そう思った私は心の中で思いっきり強く願いました。
「UFOさん、UFOさん。もしほんとのUFOだったらUFOだとわかるように飛んでください」
するとその白い点は、水平に飛んでいた角度を下に45度ほど降り、すぐにまた45度ほど上方へきりかえし、元々飛んでいた高さに戻ると水平に移動していきました。そして雲に隠れるように姿を消しました。
私はついにホンモノのUFOを見たのです。
これから気の狂った話をします 島村ゆに @sim
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