第2話 山の中の神社 つづき
不思議な体験をしたせいで、その神社がおもしろくなってしまい、その年は行ける限り毎月一度はそこへ訪れるようになっていました。
しかし、いくら若くて体力があるとはいえ、一人で片道6時間はつらいので、行くときは誰かと一緒に行かなければなりません。私はEとは別の友人Uに、近畿地方のある神社について話してみました。
Uもいくらかはオカルト方面に興味のある人物だったので、二つ返事で出かけることが決まりました。
お決まりの時間、夜中の0時に家を出ます。到着は当然のように朝5時を少し回ったくらいです。
Uは喫煙者であったのですが、車の中では絶対吸わない人だったので、到着したとたんに「一服してくるわ」と言って車を出ていきました。
私は毎度疲れているため、その場ですぐに寝ようと思いました。助手席から後部座席に移り、そこに持ってきた毛布をとりだして横になりました。後部座席なので足が延ばせず少し曲がった状態で毛布をかぶりました。
リアガラスのむこうにはあいかわらず満天の星空。都会ならプラネタリウムでしか見られないようなほんとうに美しい星空です。
「今日も綺麗な星空だなあ」
そう思いながら目を瞑りました。
するとまた、あの状態です。目を瞑ったはずなのに、目の前には満天の星空が見えています。
あ、まただ。
そう思っていると、どこからか、ゴーっという風のような音が聞こえてきました。
なんの音だろう? と思って星空を見ていると、突然、空いっぱいにUFOが現れました。数えきれないほどのUFOです。それらがちかちかと光っていました。
UFOの集団はそれぞれ形が違っていました。丸、三角、四角、十字型。それぞれがそれぞれの形に沿ってピカピカと光っていました。
うわ~!! UFOだ!!
私は内心わくわくしてその光景を見ていましたが、そのうちにゴー!という風の音がどんどん強くなっていき、その風にあおられて車ががたがたと揺れ始めました。
このままでは車が風にさらわれてしまうのでは?
そんな気がし始めたとき、車の下に小石が当たる音がし始めました。UFOの風で駐車場に敷いてある小石が舞い上がり、車に当たっているのです。
こん! こん! かん!
このままでは車に傷がついてしまう! 大変だ!! どうしよう!
「にゃ~ん」
車のすぐ外で猫の鳴き声がしました。はっとして目を開けると、私の目の前には助手席のシートがありました。さっきまで仰向けに寝ていたはずなのに?
慌てて車の外に出てみましたが、UFOもおらず、当然車に傷もついておらず、とりあえずは一息つきました。
猫の鳴き声は野良猫でした。
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