第5話 最強の魔法戦士の力

 2人の魔法少女と魔物の間に一台のバイクが割り込んでくる。バイクからフリフリのライダーが下りてくると、そこにいる全員が固まってしまう。


「お、おい!アレは魔法少女?なのか?」

「おそらくそうなんだろうが、いや?仮面〇イダー?う~~~ん⁉」

「・・・え~っと魔法少女2人の他に突如として現れた魔法少女?のコスプレイヤーを乗せたバイクが出現しました!いや・・・マジで何なん?」

 2人の魔法少女はポカンとしながらヘルメットを被ったプレシャス☆マホの後ろ姿を見つめ、おっさん達やYO!tuberの動揺が空気となって漂い魔物は困惑した目で辺りを見渡している。


 そんな束の間の静寂を破るようにカナリアの妖精が声を上げる。

「何をしている⁉フェスティバロン!部外者を連れてくるなんてどうかしている!」

「その声はセリヌスピアだな?部外者ではない!れっきとした最強の魔法戦士だ!」

「一体何を言って!・・・まさかそのお方が伝説の魔法戦士の⁉」

「そうとも!プレシャス☆マホ・・・ムグゥ!」

 フェスが大見えを切ろうとすると麻保はその口を塞いだ。

「余計なおしゃべりはいいから旦那と正義を探してちょうだい!あのデカブツはなんとかしておくから。」

「ムグググ・・・プハァ!了解だよ。あまり肉片を撒き散らさないでね。」

 そう言うとフェスは駅の周辺を見渡していく。

「な!?」

 セリヌスピアといわれた妖精は仰天して騒ぎたてる。

「無茶だ!あの魔物をたった1人で討伐できるわけがない!僕達も行くよ!チチル☆ヒバリ&チチル☆チドリ!」

 2人の魔法少女は我に返って臨戦態勢をとるが、麻保はスタスタと魔物に近づいていく。

「待つんだ!プレシャス☆マホ!いくら貴方が最強といってもそれは過去のこと、今の魔法戦士は力を十分に発揮できていない!危険だ!」

「ピーチクパーチクうるさいわよ!黙ってみていなさい小鳥ちゃん達!」

 麻保が魔法のステッキを掲げると、高密度の光が集まっていく。それを見た怪物は目を怒らせて大きくて長い舌を鞭のように振り下ろした。

「ダリイ――――ワ――――‼」

 黒くて大きな舌が麻保を押し潰そうとする瞬間、麻保の体が燦然と輝きだす。


「スターライトプリズムショー!」

キラキラキラ!チュド――――――――――――ン‼

「ダリイワ――・・・。」

 小さな星が大量に発射された途端に蛙のような魔物は一瞬にして粉々になって消えていった。あっという間の出来事にシャングリアレスとチチル☆ヒバリ&チチル☆チドリは茫然とする中、麻保は再びステッキを弄ぶ。

「ここを元に戻して!タイムアウト&リセット!」

 すると、瞬く間に布里駅の一帯は魔物に破壊される前に逆戻りしていつもの慌ただしい日常の風景に戻っていった。

「・・・な、何なのこれ⁉こんな魔法メチャクチャじゃない!」

「これが最強の魔法戦士の力⁉」

 チチル☆ヒバリ&チチル☆チドリの2人は颯爽と現れた頼もしい魔法戦士の姿にいつの間にか憧憬の眼差しを向けていた。

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最強だった元魔法少女は息子が魔法少女になりそうなので全力で阻止します! 一大路 枝成 @hanma-naga5210purupuru

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