第5話 有明決戦・不屈の秋月vs尾張の怪鳥
有明海から吹き寄せる潮風が、いつしか東京・江東区の空気を戦国色に染め上げていた。秋月種実が放った超長距離アウトレットパスは、日向高鍋を経由し、時空を歪めて**「有明コロシアム」**へと着弾する。
そこは、室町幕府ならぬ、バスケが全ての理を支配する**「
1. ファイティングイーグルス尾張の「力攻め」
室地幕府の直轄軍として立ちはだかったのは、ファイティングイーグルス尾張。黄金の織田信長を筆頭に、最新鋭の戦術を駆使する彼らは、圧倒的なフィジカルによる**「力攻め」を展開する。
「種実よ、筑前から日向へ、そして有明へ。流転の果てに何を見る」
尾張の選手たちが、重厚な「胴丸」**を模した防弾ユニフォームを鳴らし、ゴール下を完全に制圧した。
2.
絶体絶命の秋月ジャパン。そこに現れたのは、種実がかつて博多や堺の商人を通じてスカウトしていた謎の助っ人、呂宋ドンチッチであった。
海外貿易の利を活かした驚異的なステップワーク。彼は、室地幕府の「力攻め」をあざ笑うかのような精密なシュートを連発する。
「ユーロステップではない。これは『南蛮渡り』のステップだ!」
その傍らでは、寺内町から動員された一向一揆のチアリーダーたちが、「進めば往生極楽、退かば無間地獄」の横断幕を掲げ、念仏のコールで観客席を異界へと変えていた。
3. 無限のメンバーチェンジ(サッカーと違い再出場可)
「秋月の魂は、一人死んでも代わりが次々と蘇るのだ!」
種実は、バスケ特有のルールを最大限に利用する。討ち死にしたはずの先祖代々の精霊たちをメンバーチェンジで次々とコートへ送り込む。ベンチに戻れば、杉坊明算が「高鍋式当世具足」の汗を瞬時に吸い取り、急速冷却して再びコートへと押し出す。
この再出場可能というルールこそが、滅亡と再興を繰り返した秋月氏にとっての「天命」であった。
4. 執念のリバウンド
試合は終盤。黄金の「楢柴ボール」がリングに弾かれ、空中に舞う。
「高鍋の地で培った『不屈』……ここで見せずしていつ見せる!」
種実は、尾張の巨大な選手たちの合間を縫い、ボロボロになった胴丸をきしませて跳躍した。
それは、かつて筑前の本領を奪われた悲しみと、日向で再起した意地が結晶となった、魂のリバウンド。
彼がボールを掴み取った瞬間、有明コロシアムの床が激しく震動し、新たな歴史のページがめくられた。
次なる展開の選択肢:
「関ヶ原の寝返りダンク」:秋月種長が東軍に電撃移籍し、試合終了直前にコートを二分する裏切りを見せる。
「高鍋藩成立へのウイニングラン」:財部城(高鍋城)を模した巨大な移動式ゴールがコートに出現し、秋月の完全安堵を宣言する。
籠球戦国伝(ろうきゅうせんごくでん) 鷹山トシキ @1982
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