核戦争から200年、腐敗した肉体で荒野を往く「グール」の生き様
- ★★★ Excellent!!!
最終戦争によって崩壊し、放射能に汚染された日本列島。
主人公の大介は、戦争当日に被曝し、人間ではない「グール」として200年もの時を彷徨い続けています。
腐敗した肉体を晒し、同族の肉すら食らいながら生存を繋ぐ壮絶な日々と、変わり果てた日本の風景描写がリアルで引き込まれます。
「ベル・サイダー」などの戦前文明の遺物が残る退廃的な世界観は、ポストアポカリプス好きにはたまりません。 異形の男がこの荒野で何を見、どこへ向かうのか。重厚なハードボイルドSFの開幕です!