この物語が描くのは、英雄の成功譚などではない。一人の少女、アメリアン=フロステルが、世界という巨大な装置によって「解体」され、再構築されていく過程を淡々と、しかし残酷なほど美しく追いかけた記録だ。
「祝福」が義務づけられた完璧な世界において、アメリアンの挫折はあってはならない汚点だった。私たちが目にするのは、彼女の絶望が本人さえ知らないところで政治的に利用され、神々しい「聖女」という名の偶像へ作り替えられていく不気味なまでの鮮やかさだ。
大聖堂を照らす眩い光と、彼女の胸の奥で静かに燃え続ける漆黒の炎。そのコントラストがあまりに強く、読者は彼女の白銀の瞳から目を離すことができなくなる。「救済」とは何なのか。もし、世界中から奇跡と崇められながら、中身が空洞のままだとしたら、それは救いと呼べるのだろうか。!
アメリアンは、自分を壊した世界への憎しみを唯一の熱源として、今日も祈りを捧げる。その姿は、痛々しくも、どこか誇り高い。この物語は、操り人形にされた少女がいつか自らの糸を切り裂く瞬間を、息を潜めて待ちたくなるような、美しくも孤独な序章である。!!
強い渇望もなく勇者の育成機関に入学した主人公が、生をあきらめぬことで力に目覚めていく異世界ファンタジー作品です。
主人公は勇者の育成機関に入学が叶った少女。
しかし、元から彼女に強い入学希望はなく、好意を抱いた少年が志望したからこそ受けたにすぎません。
少年は落ち、少女は受かった。そこから始まったのは、教育とは名ばかりの心身への拷問。
世界は女神の祝福によって、緩やかに衰退していく。
けれど、それを是としない破壊者によって、文明への殺戮が起こっている。
勇者に求められるのは、破壊者を破壊するほどの力。
祝福を授かった者には滅多に現れない破壊の力。
多くを失いながらも、主人公は愛しき者の下へ帰るために努力を重ねます。
果たして主人公は勇者となれるのか。
ぜひ読んでみてください。